【特集】あの最高峰時計はなぜ愛されるのか? 家庭画報.comが最高峰時計ブランドの“愛される理由”を徹底分析。各ブランドから、歴史や性能を楽しめる「入門時計」、私のスタイルにフィットする「定番時計」、いつかは欲しい「夢時計」の3本をご紹介します。
特集TOPはこちら>> 「フランク ミュラー」とは――
「フランク ミュラー」の歴史は、“ブレゲの再来”といわれる天才時計師フランク ミュラー氏の歩みでもあります。1958年、時計産業で有名なスイスのラ ショード フォンに生まれたフランク ミュラーは、幼い頃から時計の仕組みに関心を持ち、ジュネーブの時計学校に進学。3年を要する技能をわずか1年で習得し、優秀賞など数々の賞を受賞。卒業後は、トゥールビヨンをはじめとする30本以上の世界初の超複雑腕時計のみならず、数多くの新案特許を発表し続け、1992年ついに自らの会社を設立しました。
独創的なデザインと卓越した技術が融合した腕時計で、人々を魅了するフランク ミュラー。2017年に、ブランド設立25周年を迎えました。ジュネーブ市街地に程近い、中世の面影を残す静かなジャントゥ村に「フランク ミュラー ウォッチランド」があります。ムーブメントのデザインや基本設計はもちろんのこと、手作業による高度な複雑時計の組み立てから貴金属の精緻な細工まで、この工房で行われます。個性的なケースとダイアルデザイン
「フランク ミュラー」の時計で特徴的なのは、トノウ カーベックス(樽型にカーブした形状)のケースとダイアルデザイン。
トノウ カーベックスは、フランク ミュラーがまだ20代の若き独立時計師の頃に、オーダー時計のフォルムとして創作しました。個性的なインデックス“ビザン数字”が登場したのは1986年のこと。時間を読み取りやすいのはもちろんのこと、時間の流れを表現したタイポグラフィーとカラフルな色彩を添えることでアート作品のような趣に。ダイアルデザインは今や数千以上といわれ、精密な手作業が文字盤に豊かな表情をもたらしています。
根底にあるのは「一人ひとりの顧客が自分の個性に合った時計を選んでほしい」というフランク ミュラーの願いです。
“カラードリーム”のカラフルなインデックスには、細かい手作業によるペイントが施されています。ブランドロゴのエナメル部分も手作業で描かれているという点も「フランク ミュラー」ならではのこだわりです。 表示価格はすべて税別です。 撮影/サトウアサ 取材・文/磯 由利子