【特集】あの最高峰時計はなぜ愛されるのか? 家庭画報.comが最高峰時計ブランドの“愛される理由”を徹底分析。各ブランドから、歴史や性能を楽しめる「入門時計」、私のスタイルにフィットする「定番時計」、いつかは欲しい「夢時計」の3本をご紹介します。
特集TOPはこちら>> 「IWC」とは――
スイス北部のドイツ国境に近いシャハフハウゼン。ライン川沿いのこの街に、1868年アメリカ出身の時計技師フロレタイン・アリオスト・ジョーンズが「IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)」を創立しました。
ジョーンズは、南北戦争後、飛躍的に工業化が進むアメリカ市場向けの懐中時計を製作するために、スイスにやってきたのです。彼はスイスが誇る優秀な時計師の技とアメリカ式の最新製造技術、ライン川の水力発電を利用し、最高品質のポケット・ウォッチ・ムーブメントを製作して世界に輸出。このアメリカ特有の開拓精神と起業家精神、そしてドイツ語圏らしい質実剛健な気質は「IWC」に脈々と続く伝統となっています。
ジョーンズがアメリカに帰国後はシャフハウゼンの実業家たちが「IWC」を受け継ぎ、2000年にフランスのリシュモングループの一員に。今年、創立150年を迎えました。
1955年に発表された「インジュニア」の広告ポスター。ドイツ語でエンジニアの意味で、当時の発明家精神にあふれたエンジニアたちに捧げられた時計でした。ポスターには「パイロット・ウォッチ」で名を馳せた「IWC」らしく、飛行機雲が描かれています。2018年に創立150周年を迎えた「IWC」はジュビリーコレクションを発表。歴史を代表するモデル「ポルトギーゼ」「ポートフィノ」「パイロット・ウォッチ」「ダ・ヴィンチ」の新作に加え、初のデジタル式の時分表示を備えた腕時計「IWCトリビュート・トゥ・パルウェーバー“150イヤーズ”」も登場。すべてのモデルにメダルかエングレービングとして“150Years”のジュビリーマークが記されています。ロングセラーの「ポルトギーゼ」
「IWC」のコレクションで女性に人気のある「ポルトギーゼ」は、1939年に誕生したロングセラーウォッチ。2人のポルトガル商人からの“マリンクロノグラフに匹敵する高精度の腕時計”という注文を受けた「IWC」が、そのリクエストに応えるためにポケット・ウォッチ・ムーブメントを腕時計に搭載して作ったのが始まりです。
「IWC」はオートオルロジュリー(高級複雑時計製造)のマニュファクチュールとして最高品質を追求しており、スタッフのクラフツマンシップも高評価。着けていると一目置かれるハイエンドな時計として、「IWC」の時計は女性の間で人気が高まっています。
©Shutterstock/アフロ
「IWC」は国際映画祭への支援を通して、映画製作をサポート。俳優たちとの交流も深く、女優のケイト・ブランシェットはプライベートでも「IWC」を愛用。創立150周年を記念した「IWC トリビュート・トゥ・パルウェーバー “150 イヤーズ”」のポケットウォッチを、ケイトはネックレス風に身につけていてお洒落! 表示価格はすべて税別です。 撮影/サトウアサ 取材・文/磯 由利子