迷い世代の服選び 「最近何を着ても似合わない」と悩む“ファッション迷い世代”の女性に向けて、雑誌『家庭画報』で活躍するスタイリストのおおさわ千春さんが、誰でも実践できる服選びのルールとポイントをお届けします。
これまでの記事を読む>> 迷い世代の服選び 第38回
40代から始める大人カジュアルの作り方
休みの日に着る服がない、カジュアルスタイルに自信がない、という相談をしばしば受けます。
そんなとき私は、“手持ちの「真ん中服」を見直すこと”をおすすめします。
「真ん中服」とは、ウィークデイに着ているきれい目服と、家に帰って着るリラックスウエアの間にある服のこと。みなさんが休日に女友達に会ったり、旅に出るときに着たりする服が真ん中服です。
真ん中服に投資すると、普通なのになんだか素敵な、“カジュアル上手な人”になれますよ。
「真ん中服」として買っておきたい
ワードローブの選び方
着ている服そのものではなく、雰囲気を含めて「なんだか素敵ですね」と言われる服――それが私の考える「真ん中服」です。
これから先、50代になっても着られる「真ん中服」を少しずつ増やしておくと、後々必ず役に立ちます。今回は、「真ん中服」の具体例を挙げていきたいと思います。
すべてのアイテムに共通するのが、上質なものであること。少々高くても、いいものは長く着られますし、何より気持ちが上がり、自信をもって着ることができるので、結果的には元が取れると思います。
中途半端な値段のものを2着買うより、惚れ込んで買った1着を長く愛用するほうが絶対に得だと肝に銘じて、丁寧に買いそろえていきましょう。
洋服はベーシックな形と
色のトーンを重視して
洋服選びで大事なのは、流行に左右されないベーシックなデザインを選ぶことです。
まずは、
トップス。素肌に直接触れる箇所が多いアイテムなので、何より質感が大事です。
私自身は、年齢を重ねると共に敏感肌になり、セーターのチクチクした触感が気になるようになりました。セーターなら、カシミアやメリノウールなど、とにかく肌ざわりを重視して質の良いものを買いそろえておくといいと思います。
また、こだわってほしいのがデコルテのデザインと開き具合。同じ丸襟でも詰まっているほうが似合うのか、少し開いているほうが似合うのか。流行ではなく、自分に似合う形をとことん吟味してほしいと思います。
色は、顔映りが優しく見えるカラーを選ぶように心がけて。以前、「
黒が似合わなくなったと感じたら?」でお話ししたとおり、黒は年齢と共にきつく見えるようになりますので注意が必要です。私の場合、黒のかわりに、ネイビーやチャコールグレーを選ぶようにしたら、褒められることが多くなりました。他にライトベージュ、ライトグレー、白などはコーディネートしやすく、おすすめです。
ボトムスは、ウィークデーに着ているものよりリラックス感のあるものを選びましょう。ロングスカート、ワイドパンツ、素材はふんわりしていたり、手触りのいいジャージーなど。トップスと同系色の濃淡でそろえていくと、センス良くまとまります。基本は、トップスと同じトーンのグレー、ネイビー、ベージュなど。ただし、トップスと全く同じ色味のワントーンコーディネートは、メリハリに欠けてしまうので、よほど体型に自信がない限り、避けたほうが無難です。