【特集】あの最高峰時計はなぜ愛されるのか? 家庭画報.comが最高峰時計ブランドの“愛される理由”を徹底分析。各ブランドから、歴史や性能を楽しめる「入門時計」、私のスタイルにフィットする「定番時計」、いつかは欲しい「夢時計」の3本をご紹介します。
特集トップはこちら>> 「オメガ」とは――
「オメガ」の歴史は、1848年に時計師ルイ・ブランがスイスのラ・ショード・フォンに時計工房を開いたところからスタートしました。「オメガ」社の前身である「ルイ・ブラン&フィルズ」社は当時としては革新的な、部品一つひとつに至るまで自社一貫生産体制で操業し、スイス最大手のメーカーへと成長します。1894年に19ラインの新型ムーブメントを発表。これは当時の時計製造のセオリーを覆すほど画期的な開発で、その完成度の高さから時計には“究極”を意味するギリシア文字の最後の字“Ω”が冠されました。このムーブメントが社名の由来になり、1903年に正式社名が「オメガ」になりました。
スポーツの祭典・オリンピックで「オメガ」の名は世界へ轟きます。1932年ロサンゼルス大会で全競技の公式計時を担当し、その後28回もオフィシャルタイムキーパーを務めました。東京 2020 オリンピックの公式計時も「オメガ」に決定しています。
日本限定コレクション「スピードマスター プロフェッショナル 東京 2020 リミテッドエディションズ」を発表。象徴的なオリンピックシンボルカラーがあしらわれた各モデルは2020本の日本限定販売です。裏蓋には「LIMITED EDITION」の文字と限定番号のほか、東京 2020 オリンピックのエンブレムなどを刻印。搭載するオメガ キャリバー1861は、NASAの宇宙飛行士たちが着用していたムーブメントが進化したモデルです。63万円~/オメガ「オメガ」のスピードマスター プロフェッショナルは、1965年にNASAの公式装備品となり、宇宙開発にも貢献。1969年のアポロ11号が人類初の月面着陸時にオルドリン飛行士がスピードマスター プロフェッショナルをつけて着陸し、“ムーンウォッチ”と話題に。今年は月面着陸から50周年を迎え、アポロ11号の歴史的偉業をテーマにした映画『ファースト・マン』(現在公開中)でも「オメガ」の時計がスクリーンに登場しています。
アポロ11月号の4か月後、2度目の月面着陸に成功したアポロ12号のゴードン宇宙飛行士が着用したスピードマスター プロフェッショナル。長いベルクロストラップが特徴です。 レディスウォッチのパイオニアとして
「オメガ」はレディスウォッチのパイオニアでもありました。20世紀初頭はまだレディスウォッチというジャンルも確立されていない時代でしたが、1902年にブランド初のレディスウォッチを発表。1894~1935年にオメガが製造していた高精度なムーブメントのうち、35%以上がレディスウォッチに搭載されていたことからも、「オメガ」は女性の社会進出を敏感にキャッチし、レディスウォッチに大きな可能性を見出していたことがうかがえます。1937年、医療現場で看護師として活躍する女性に向けて腕時計「メディカス」を発表。1955年には、初の女性用自動巻き腕時計「レディマティック」が登場し、次世代レディスウォッチとしてセンセーションを巻き起こしました。
1906年に発表された「レピン」。12時のインデックスが3時の位置に配されているユニークなデザイン。当時オメガが制作していたペンダントウォッチ「レピン」がベースとなっています。レディスコレクション「コンステレーション」は1952年以来、高精度と耐磁性、美しさを体現するオメガのシンボルとして高い人気を誇ります。1982年に発表された「コンステレーション」の“マンハッタン”は、今年デザインをモダンにアップデートして、新しいモデルが101本登場。繊細でエレガントにデザインや機能の進化を遂げつつ、ムーブメントにちなんだ社名「オメガ」が示すように精度の高さは折り紙つき。本物志向のラグジュアリーな女性に選ばれている腕時計です。
2018年10月「コンステレーション “マンハッタン”」のスペシャルローンチイベントを上海で開催。〈右から〉ニコール・キッドマン、シンディ・クロフォード、アレッサンドラ・アンブロジオ、リウ・シーシーが登場。都会的な洗練と美しさ、卓越した存在であることを印象づける華やかな一夜に。 表示価格はすべて税別です。 撮影/サトウアサ 取材・文/磯 由利子 スタイリング/長谷川 綾