スタイリストのおおさわ千春さんが大人の女性が手にすべき「本物」をご紹介するこの連載。ご自身の体験談をもとに、迷い世代の日常に必要な“ブランドの力”をどう取り入れるべきかを指南いただきましょう。第5回は、新たなシンボル「ペガソ」の登場で、おおさわさんが、最近一段と気になる存在になってきたという「エトロ」をご紹介。
前回の記事はこちら>> 「ペガソ」のメタルバックルがあしらわれたシューズとベルトは、「10年後まで“新しい“かも」とおおさわさん。「完成されたデザインは古びない。この『ペガソ』もそんなアイコンになる予感がします。『ペガソ』があしらわれているだけで、一気にデザインが若返って新鮮に見えます」。靴(ヒール6㎝)10万5000円 ベルト4万6000円/ともにエトロ(エトロ ジャパン)〔迷い世代の服選び〕
40代にこそ効く「ブランド力」
第5回 エトロ
トップメゾンと呼ばれるブランドの、「今、どこのブランドがイケてるのか?」は、やはり気になるところですね。アーティスティックディレクターが交代するたびに、「イケてるブランド」が目まぐるしく変わる中、年2回のコレクションが終わると、「今季はどのブランドの服をピックアップしてスタイリングしようか?」と考えるのは、スタイリストである私の大きな楽しみであり、仕事でもあります。
今、私が気になっているのは「エトロ」です。2019年秋冬コレクションから、「ペガソ」と名づけられた新たなシンボルが登場し、小物や服まで、あらゆるアイテムにあしらわれるようになったのを見て「あら? エトロのイメージが変わった?!」と注目するように。そのモチーフの可愛らしさと相まって、迷い世代が着こなすのにぴったりの新しさを感じたのです。
母の記憶とリンクする
優美なペイズリー柄
「エトロ」と言って、真っ先に思い浮かぶのは、イタリアンブランドらしい鮮やかな色味で表現する美しいペイズリー柄ではないでしょうか?
私自身の「エトロ」の最初の思い出は、社会人になりたての頃。母がペイズリーをジャガード織で繊細に表現し、コーティングを施した「アルニカ」シリーズのバッグを愛用していて、とても格好良く感じたのを覚えています。仕事やプライベートでイタリアへ行った時の母へのお土産の定番は、「エトロ」のストール。色味に奥行きがあり、どんな装いにも合うので、プレゼントにぴったりだったのです。
エトロの魅力は、ペイズリー柄のバリエーションの幅が広く、どんな人にも似合うものが見つかることではないかと思います。だからこそ、広く「エトロ=ペイズリー柄」の人気が浸透したと思うのです。
デザインはモダンでありながら、堅牢なつくりに、エトロならでのクラフツマンシップが息づく「アルニカ」。