スタイリストのおおさわ千春さんが大人の女性が手にすべき「本物」をご紹介するこの連載。ご自身の体験談をもとに、迷い世代の日常に必要な“ブランドの力”をどう取り入れるべきかを指南いただきましょう。第9・10回は、おおさわさんが若い頃から、ブランドの世界観が好きで、日常着として愛用しているというラルフ ローレンのポロシャツとシャツをご紹介。
おおさわさんが、どうしても2色とも欲しくて色違いで購入した「ポロ ラルフ ローレン」のシャツ。「特に左のブラッドオレンジを彷彿させる朱赤は、このブランドならではだと思います。身体が泳ぐくらいのビッグシルエットなので、裾をインしたり、前だけ結ぶなどのアレンジを楽しみながら着ています」〔迷い世代の服選び〕
40代にこそ効く「ブランド力」
第9回 ラルフ ローレン
皆さんは、若い頃から変わらず好きなブランドはありますか? もちろん、年齢ごとに、少しずつ好みや似合う服が変わるので、多少ブランクがあったとしても、気がつくとやっぱりここに戻ってきたというブランドはあるでしょうか?
私にとっては、ラルフ ローレンが、まさにそんな存在。そもそもの出会いは、20代前半の頃。ポロシャツが一世を風靡し、このブランドのものを愛用したのが始まりだったと思います。「趣味のいいお金持ちの普段着」「育ちのいい人が着ている服」「上品でインテリジェンス」……そんなイメージを持つ、ニューヨークブランドらしい、上質で洗練されたデイリーウェアは、私にとって「永遠にワードローブにスタンバイしておきたい服」。トレンドに左右されない、心地いいシンプルウェアという軸は、何十年経ってもブレることなく、いつも私に寄り添ってくれています。
上質なライフスタイルが
伴ってこそ似合う服
欧米の上流階級に愛される、スタイリッシュで洗練されたスポーツであるポロ競技。ラルフ ローレンのポロシャツは1972年に誕生、ブランドを代表するアイテムとなりました。私がラルフ ローレンに魅了される最大の理由は、服を通してライフスタイルが透けて見えるところ。ベビーから展開する幅広い年齢層に向けたラインナップや、「こんな家に住んでいる人が着る服なのね」と想像できるインテリアを提案する「ラルフ ローレン ホーム」など、単純に服を着るのではなく、服に見合う「中身」が伴ってこそのブランドというのがラルフ ローレンの魅力。アメリカの上流階級を彷彿させる“豊かな暮らし”の中で、子供のころからファミリーで馴染んできた上品でベーシックな「普段着」――そんな世界観が、若い頃からの憧れでした。
ある目的のために着るのではなく、肩の力を抜いて着る日常着であり、心を疲れさせず、ありのままの私を「それでいいよ」と優しく包み込んでくれるような服だからこそ、いくつになっても、“永遠に着ていたい”と思えるのではないでしょうか。