スタイリストのおおさわ千春さんが大人の女性が手にすべき「本物」をご紹介するこの連載。ご自身の体験談をもとに、迷い世代の日常に必要な“ブランドの力”をどう取り入れるべきかを指南いただきましょう。第13・14回は、おおさわさんが20代の頃から愛用しているカルティエのウォッチをご紹介。
〔迷い世代の服選び〕
40代にこそ効く「ブランド力」
第13回 カルティエのウォッチ
おおさわさんが20代後半から愛用してきた「タンク」と、現在は展開数が少なくなっている「タンク ディヴァン」というマイ・タンク・コレクション。写真後方に写っているのは、以前ご紹介したアルマーニのジャケットを着こなした40代の頃のおおさわさん。「30代~40代の頃は、大好きなアルマーニのジャケットに、手元は『タンク』という着こなしが私の定番でした」。写真右に写っているのが、紺のリザードストラップの「タンク」、中央は、紺に替える前に愛用していたクロコのキャメル色のストラップ。左は、カルティエの表参道店のオープン時に買った限定の「タンク ディヴァン」。こちらも、購入当初はレオパード柄のストラップだったものを付け替えて、現在はピンクベージュのクロコ(型押し)のストラップにチェンジ。皆さんは、腕時計をしていますか? 私は小学生の頃から、親に買ってもらった時計をしていたという筋金入りの時計好き。家の中でも時計はしていますし、時計を忘れて外出した日は、まるで下着をはき忘れてしまったくらいにショック(笑)。
最近は、携帯電話で時間を確認する方が増えているようですが、逆に私は携帯で時間は見ません。次の予定まであと何分あるのか、その間に何ができるのか、を針の位置を確認しながら行動したい派なのです。
ストラップを替えるたびに
時計の鮮度が上がる
現在10~12本ほどの腕時計を所有していますが、その2/3はレザーストラップ。もちろん、ブレスレットタイプも持っていますが、私好みのマニッシュなスタイルは、レザーストラップとの相性が良く、自然と出番が多くなります。
中でも登場回数が多いのが、カルティエの「タンク」です。この時計は、私が20代後半に、スタイリストとして仕事を始めたころに「これだ!」とひと目惚れして購入したもの。当時の私にとっては、清水の舞台から飛び降りるほどのお値段でしたが、仕事の励みにしたいと思い切って購入。
パリ、ラ・ペ通りのカルティエ本店。キング・オブ・ジュエラーの輝きのすべてがここに。F. Hammond © Cartierレザーストラップのいいところは、レザーの色を替えると鮮度が復活して、新たな気持ちで楽しめるところ。この時計はもともとこげ茶のレザーストラップが付ついていたのですが、20年ほど前にマイブームになっていたベージュ系ファッションに合わせて、パリのカルティエ本店でキャメル色のクロコダイルに交換。
更に3年ほど前に、今の私のワードローブになじむネイビーのリザードに交換しました。その時、その時のファッションの変遷に合わせてストラップを替えつつ、何10年も同じ時計を愛用できるのは、カルティエの時計が「永遠の美しさ」を備えているからだと思います。