© Lipnitzki / Roger-Viollet
1883年、フランスのオーヴェルニュ地方に生まれたガブリエル シャネル。後にココ シャネルと呼ばれ、マドモアゼルの愛称で親しまれた彼女は、1910年、パリのカンボン通りに帽子の店を作ります。
1913年には洋服のデザインに着手。ジャージー素材を取り入れた服で注目を集めるようになります。時代はちょうど、女性が社会に進出し始めた頃。窮屈なコルセットを使用せず、シンプルで機能的なマドモアゼル シャネルのデザインは、女性をさまざまな制約から解放し、20世紀、そして現在へと続くファッションの基本となっています。
そんなマドモアゼル シャネルはジュエリーにおいても、自らの精神と新しいスタイルをデザインに込めました。1932年、パリ。フォーブル サントノーレ29番地のマドモアゼル シャネルの邸宅にて発表された初のファインジュエリーのコレクションにて、このような言葉を残しています。
「私がダイヤモンドを選んだのは、その密度から、最小のボリュームで最大の価値が表現できるから。そして私は、輝くものには目がない自分自身のセンスを生かし、エレガンスとモードを兼ねそなえたジュエリーを作りたかったのです」