ファッション

年齢を重ねたからこそ似合う「大人のシルバー」

2021.01.25

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スタイリストのおおさわ千春さんが大人の女性が手にすべき「本物」をご紹介するこの連載。ご自身の体験談をもとに、迷い世代の日常に必要な“ブランドの力”をどう取り入れるべきかを指南いただきましょう。第39・40回は、おおさわさんが「今、ようやく似合うようになってきた」というホアキン・ベラオのシルバージュエリーをご紹介します。

〔迷い世代の服選び〕
40代にこそ効く「ブランド力」
第39回 ホアキン・ベラオ


皆さんには、等身大の自分を託せるような、気負わずにつけられるジュエリーがありますか? 私にとっては、ホアキン・ベラオがまさにそんな存在。

スペイン発のジュエラーで、18金のものもありますが、私がデイリーに愛用しているのは、シルバーのジュエリーです。構築的でボリューム感のあるフォルム、シルバーならではのセンシュアルな輝きをカジュアルな服にさらっとあしらうのが、とても気に入っているのです。


おおさわさんが、半年ほど前に購入したというシルバーアイテム。「リングはぼってりと厚みのあるフォルムが気に入って。ペンダントは、知恵の輪のように重なり合う楕円形のフォルムが私好み。グレーやネイビーのタートルネックのニットや丸首のクルーネックセーターに合わせています。ホアキン・ベラオのペンダントは黒紐がついているものが多いのですが、白い服に合わせる場合は、黒紐だとコントラストがつきすぎてしまうので、手持ちのシルバーチェーンに付け替えようと思っています」。(ともにおおさわさん私物)

ホアキン・ベラオというブランドは、かなり前から知ってはいたのですが、実は「この輝きをつけると私らしくいられるな」と思えるようになったのは、つい最近のこと。今回は、年齢を重ねたからこそ似合うようになった大人のシルバーについてお話ししたいと思います。

年齢を重ねて辿り着いた
グラマラスなシルバー


ホアキン・ベラオは、スペイン、マドリッド生まれのデザイナーが、自身の名を冠してスタートしたジュエラー。15歳で叔父が経営する宝飾工房に入り、スペインの伝統的な制作技法や知識を学び、1970年にスペインのイビザにて初コレクションを発表。

デビュー当初から18金やシルバーを用いつつ、今よりもアグレッシブな印象のデザインが主流でした。

その後ニューヨークの老舗百貨店「ブルーミングデールズ」にて展示販売を行ったのをきっかけに世界でブレイク。現在ではスペイン王室も顧客に抱えるほどのジュエラーに。「彫刻」「建築」「音楽」「自然」の4つの要素にインスパイアされたクリエイションは、のびやかでグラマラスなラインが特徴です。

1999年から約10年間、マドリッドとキューバの首都ハバナを行き来する生活をしながら、数多くの写真を撮影、各地から得たインスピレーションをデザインの糧としたホアキン・ベラオ。このモノクロームの写真はハバナでの1枚。

日本には1990年~2014年まで展開後、4年のブランクを経て2018年に再上陸しました。
以前はホアキン・ベラオというと、今よりも少しハードなイメージがあったのですが、時代とともに繊細なクリエイションのシルバージュエリーも増えてきて、次第にファンになっていきました。

もしかすると、ホアキン氏の中での心境の変化がクリエイションに反映されているんじゃないかな?とすごく親近感が湧いてきて……もちろん、これは勝手な私の推測なのですが。
私自身もイケイケ風の洋服を好んで着ていた、とがっていた時代があり、その頃はシルバーよりもゴールドの地金を好んで身につけていました。でも、年齢を重ねて、何が私にとって一番心地いいんだろう?と考え始めたときに、ホアキン・ベラオの有機的なフォルムのシルバーにぐっと惹きつけられた気がするのです。

90年代から昨年までに発表されたシルバージュエリーの数々。有機的なフォルム、シンプルなデザインは時代に左右されない美しさをもっています。

そのホアキン氏もまた、紆余曲折を経て、現在のフォルムに到達したんじゃないかしら? もしや私と同じような時間軸を過ごしてきたのかも……と想像すると、なんだかいとおしく思えて。1人のデザイナーが人生のすべてを賭して、一つひとつ大切に作っているジュエリーには、心の在り様が反映されるもの。それを身にまとうのも醍醐味のひとつだと思います。

男性デザイナーだからこその
「色気」があるシルバー


ホアキン・ベラオのシルバーは、まるで女性の身体を感じさせるようなフォルムが魅力だと私は思っています。この曲線美は、情熱的でグラマラスな女性を好むスペイン人男性だからこそのデザイン。そして、身につけると、肌に当たる面がなめらかで、優しく感じるところも大好き。

独特の曲線美を描くバングルも、ブランドを物語るアイテムのひとつ。

一見迫力のデザインに見えるのですが、つけるとしなやかで、その意外さにドキッとするという経験をしたのは、ホアキン・ベラオが初めてです。質感まで含めて、体温を感じるようなセンシュアルな輝きはこのメゾンならでは。まさに大人の女性のためのシルバーだと思います。

次回は、私がお気に入りのホアキン・ベラオのシルバーコレクションをご紹介します。

第40回 春に似合う、ホアキン・ベラオのボリュームシルバー>>


●お問い合わせ
ホアキン・ベラオ
電話 03-6821-7772
URL:http://joaquinberao.jp

おおさわ千春/Chiharu Osawa

スタイリスト。
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
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撮影/大見謝 星斗 編集協力/湯澤実和子
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