大人気ファッションコラム「迷い世代の服選び」。毎月の第4週目は、迷い世代のリアルな悩みにスタイリストのおおさわ千春さんがずばり答える「教えておおさわさん」のコーナーです。
【今月のお悩み】今、流行りの「抜け感」の出し方がわかりません。そもそも「抜け感」って、何でしょうか?なぜ必要なんですか? どうやったら出せるものなんでしょうか?(42歳女性Mさん)
【お答えします】「抜け感」とは、「“おしゃれに頑張っている”ことを見せないために、肩の力を抜く」ってことだと私は解釈しています。
たとえば若い子は何を着ても可愛いし、自然に見えるので、抜け感なんて必要ないんです。「抜け感」が必要なのは、ともすると“頑張ってる感”が出てしまう40代から。そう、このコラムの主役、迷い世代の方々ですね。
ただでさえ年をとると迫力が出て、「なんだかこわい」とか「イタイ」などと言われがち。積み上げてきたキャリアが、いい意味でも悪い意味でも外見に出てしまうんです。
年齢を重ねた分、余計なこだわりも重ねていない?
服装も40歳ともなると、「その日の気分で」というより「私はこれが似合う」という、独自のこだわりがある方が多いです。それが、傍から見ると、「いつも気合入ってる」、「なんかこわい」ってことになる。 そこで必要になるのが「抜け感」なんです。
例えば、タイトスカートばかりはいているなら、ふんわりスカートに替えてみる、ポインテッドトゥのハイヒールを丸いトゥのフラットシューズやスニーカーに替えてみる。
どこかにちょっと“ゆるい”ものを取り入れてリラックス感を出し、とっつきにくさを弱めることを「抜け感を出す」というんだと理解しましょう。
ただ、気をつけて欲しいのは、「頑張って抜け感を出す」のはヘンだってこと(笑)。
今までと少し違うアイテムを着てみることによって、「今の私には、案外こんなのも似合うんだ」という発見があり、おしゃれの間口が広がるかもしれません。
迷い世代のおしゃれルール:
年齢とともに積み重なったこだわりを、まずは1か所替えてみる。そのちょっとした変化が「抜け感」となって、新鮮なおしゃれにつながっていくのだと思います。
迷い世代の服選び…「最近何を着ても似合わない」と悩む“ファッション迷い世代”の女性に向けて、雑誌『家庭画報』で活躍するスタイリストのおおさわ千春さんが、誰でも実践できる服選びのルールとポイントをお届けします。
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
イラスト/大橋美由紀 編集協力/湯澤実和子