大人カジュアルはネイビートーンが上品さの鍵!
サンジェルマンで出会ったのは、肩の力を抜いたカジュアルスタイルが格好いいヴェロニクさん。「おしゃれなパリジェンヌを探しているので写真を撮らせて」というお願いに、「私でいいのかしら?」と言いながら、快く引き受けてくれた素敵なマダム。ファッションに関するショッピングは、もっぱらマレ地区だそう。連載「パリ、おしゃれの見本帳」01本日からスタートする連載を担当する、フランス在住ファッションライターのルロワ 河島 裕子です。
といっても、昨年東京から移住してきた私が住むのは、パリから北に60kmほどの田舎の小さな村……。なので、パリは私が時折訪れては、街ゆく人を眺めおしゃれのエッセンスを取り入れる場所。
この連載をお届けしながら、私自身がパリ流のおしゃれについて目下勉強中です。
世代を問わず好感を持たれるセンスのよさに脱帽した、グレーヘアのマダムさて、早速ファッショニスタ・ハンティング1人目から、「こんな大人の女性になりたい」と憧れてしまうような、とても素敵な人に出会いました。
それが、こちらのグレーヘアが素敵なヴェロニクさんです。
定番ものを素敵に着こなす人ほどおしゃれ偏差値高し!コーディネートのアイテムはPコートにテーパードパンツ、スニーカーという、いたって定番。
ですが、放っているオーラがなんだか違う……。思うに、さりげなく個性を感じさせるクリアフレームのサングラスや前髪を片側だけ垂らしたラフなまとめ髪、ハンサムな印象を際立たせる立てたコートの襟、小ぶりなスタッズショルダーバッグが醸すワンポイントの女性らしさなどで、随所に“おしゃれの計算”を効かせているから。
カジュアルな装いですが、全身をネイビートーンでまとめることで、マチュアな魅力と品格が漂っています。
また、自分を素敵に見せるサイズ感を熟知している、大人ならではのヴェロニクさんの着こなし術は、さすがのひと言。
おしゃれのためには多少の我慢!?初春のパリはまだまだ寒いものの、生足でくるぶしをのぞかせることで、重くなりがちな全身ネイビーの装いに抜け感を与え、バランスよくまとめているのもポイントでしょう。
時には我慢することでおしゃれはさらに引き立つものなのね、と心のノートにメモ。冷える日はタイツに靴下を重ね、つい見た目よりも防寒に走る自分のおしゃれ道の生ぬるさを反省するのでした。
~MEMO~大人カジュアルは“抜け感”でこなれるべし!
次回は、黒を素敵に着こなしていた小粋なパリジェンヌの装いをリポートします。4月18日配信予定。
写真/Olivier Leroy
ルロワ 河島 裕子 / Hiroko Kawashima Leroy
ファッションライター
『家庭画報』をはじめ大人の女性に向けた雑誌で、ファッションやジュエリー、時計を中心に幅広く執筆。2018年より、家族とともに、拠点をフランス北部の田舎に移す。夢はワインの聖地・ブルゴーニュでB&Bを営むこと。行き当たりばったりのフランス移住エッセイ
「意外となんとかなる!? 40代のフランス移住」を同サイトで連載中。