パリ、大人のおしゃれの見本帳 フランス移住1年目のファッションライターが、パリの街で体当たり取材! 素敵な女性に声をかけ、着こなしの秘密を探ります。毎日のおしゃれに役立つ、ファッションスナップをお届け。
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ファッションフォトグラファーというアレックスさんは、「普段はカメラを向ける側なのに、変な気分ね」と慣れない様子でしたが、快く撮影に応じてくれました。若かりし頃のシャルロット・ゲンズブールのような透明感のある可愛らしさに、しばし見とれてしまいました。パリ、大人のおしゃれの見本帳 13
実はこの連載の撮影のために、私と写真を担当する夫は毎度4時間以上パリの街を練り歩きます(田舎在住のため、頻繁にパリに出られないため、1日で数人分撮りためます)。
おしゃれな人があふれるモードの都パリといっても、写真を撮らせてほしいと思うまでの人は、やはり一握り。
で、アレックスさんを遠くから目にしたとき、これは逃してはいけない、と文字通り走って追いかけてしまいました(横にいた夫からは、見るからに不審者のようだったから、今後絶対にやめてくれと釘を刺されましたが……)。
夏のモノトーンは白8:黒2
今回スナップしたアレックスさんは、夏の日差しに映える眩しい白を基調とした爽やかなモノトーンスタイルが、パリの街でもひときわ目を引いていました。
聞けば、パリとN.Y.で仕事をするファッションフォトグラファーだそうで、最先端ファッションにも精通している訳です。
定番カラーをモードに見せるスパイシーな小物使い
主役のブラウス、「プラダ」の個性派サングラス、そして全体をグッとモードに引き上げる「メゾン マルジェラ」のTABIブーツなど、全身に白をコーディネートすることで、夏らしいフレッシュなモードを表現。
着こなし次第ではぼやけた印象になりがちな白を、インパクトのある小物使いとポイントの黒でシャープに引き締めています。
ちなみに、写真では見えませんが、手首にはトップメゾンの白セラミックのスポーティウォッチが。モードとリュクスにこだわったコーディネートはさすがです。
しかし、サングラスといい、ブーツといい、普通の人ではなかなかこなせないような大胆な小物選びは、ファッションスタイルに自信がある証しですね。
ユニークなピアスで自分らしさを主張
そんなアレックスさん、アクセサリー選びも個性的です。耳元には安全ピン型のピアスが揺れ、ハードなモチーフながら、シルバーの質感や線の細さで清涼感のある感じを醸していました。10年前の私なら即真似していたであろう、さりげない格好よさです。
うだるような暑さに心もだれてしまいがちな季節(6月下旬、フランスにも強烈な暑さがやってきました)。
私も、背筋がすっと伸びるような緊張感のある白を主役に、凛としたおしゃれを楽しみたいと、翌日、早速手持ちの白シャツにアイロンをかけたのでした。
~MEMO~
夏のモードは白でフレッシュ&スタイリッシュに
さて、次回は本格的な夏が到来したパリを席巻しているプリント服にフォーカス! 7月23日配信予定。
写真/Olivier Leroy
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ルロワ 河島 裕子 / Hiroko Kawashima Leroy
ファッションライター。『家庭画報』をはじめ大人の女性に向けた雑誌で、ファッションやジュエリー、時計を中心に幅広く執筆。2018年より、家族とともに、拠点をフランス北部の田舎に移す。夢はワインの聖地・ブルゴーニュでB&Bを営むこと。行き当たりばったりのフランス移住エッセイ「
意外となんとかなる!? 40代のフランス移住」を同サイトで連載中。