旅の達人たちに教わる 極上の旅スタイル第3回(全6回) 快適に、存分に旅を楽しめるかどうかは、その仕度にかかっています。行き先と、現地でのTPOを想像しながら、“ふさわしい”ワードローブを揃えること─。そこで今回は、3人の旅の達人(阿部永里子さん・佐藤治子さん・池坊美佳さん)にご登場いただき、豊富な経験からたどり着いた、各々の旅スタイルの極意を伺いました。
前回の記事はこちら>> 旅の達人 池坊美佳さんのワードローブ拝見
2泊3日で老舗旅館へ
華道家の領域を超えて幅広い分野で活躍している池坊美佳さん。プライベートだけでなく、仕事上でも、日本中の格式ある場所へお出かけになることも多いという、まさに旅の達人です。今回は「訪れる場所や人に敬意を示す」旅仕度を教えていただきました。
池坊美佳さん(華道家)
華道家元45世池坊専永の次女である池坊美佳さん。「旅することが日常」というほどの旅好き。老舗旅館に到着するときのスタイルは、美しいシルエットの「シャネル」のニットワンピースで。移動時に着用してもしわにならない優れものなのだとか。旅には、トロリー、トートバッグ、肩がけできるハンドバッグの3個の組み合わせがいつものスタイルです。国内旅ならではのマナー
宿への敬意の示し方を大切に
国内旅の達人、池坊美佳さん。「お帰りなさい」とあたたかく迎えられる常宿もたくさんお持ちだそうです。
「海外とは違い、日本国内の旅では畳に上がるという場面がありますので、そのための準備はきちんとしていくようにしています」。
旅仕度で必ず準備する三種の神器ともいえるのは、新しい白の靴下、手入れの行き届いた美しい靴、ぽち袋だそうです。
「和室では靴を脱ぎますので、揃えて置いたときに端正な靴を用意していきます。白の靴下はポーチに収めてバッグに常備し、上がらせていただくときに足袋代わりにさっとはけるように。そしてぽち袋は心づけを渡すときのために携帯しています」と池坊さん。
お座敷では上半身が華やかな服を「お食事では上半身がポイント。袖口デザインがあるものを選びます」そのほか、旅館での夕食はお座敷も多いので、上半身が華やかに見える服を。正座したときに膝が隠れる丈のワンピース、もしくはスカートを選ぶそうです。
「宿のかたに、また来てもらいたいと思ってもらえる客でありたいですね。ですから、その場に沿った振る舞いができるような旅仕度を心がけています」
〔特集〕旅の達人たちに教わる 極上の旅スタイル(全6回)
撮影/江原英二〈Astro〉(人物) 唐澤光也〈レッド ポイント〉(静物) 中田裕史〈レッド ポイント〉(静物) スタイリング/坂本陽子 ヘア&メイク/難波弓子〈ahchjooh〉 取材・文/土橋育子
※ご紹介しました私物に関しては、各ブランドへのお問い合わせはお控えください。
『家庭画報』2019年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。