パリ、大人のおしゃれの見本帳 フランス移住2年目のファッションライターがパリの街で体当たり取材! 素敵な女性に声をかけ、着こなしの秘密を探ります。毎日のおしゃれに役立つ、ファッションスナップをお届け。
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先週ご紹介したガブリエルさんのモデル仲間のアマンディーヌさんは、定番ものを“今どき”に着こなす姿が印象的。パリ、大人のおしゃれの見本帳 34
冬も後半に差し掛かると、シーズン中お世話になったコートの着こなしもマンネリ化し、どこか新鮮味が薄れてしまうもの。特に日本に比べて冬が長いフランスでは、節分を過ぎてもまだまだコートの最盛期。すっかり私のおしゃれの気分もトーンダウンしておりました。
そんな悩める私の目に留まったのは、長身にまとった、たっぷりとボリュームのあるラグラン袖のネイビーコートが素敵なアマンディーヌさん。超定番のテーラードコートなのに今っぽく、そして“なんだか違う”と思わせるのは、彼女の着こなしにありました。
よく見ると、コートのボタンをあえて留めず、ガウン風にベルトで結んで大人っぽく。さらに袖を折り返して、こなれた印象に仕上げています。さすがモデルという職業柄、“服を自分のものにする”という術に長けています。
エレガントコートはスパイス小物でエスコート
しかし、大人っぽさを醸すゆったりとしたボリュームコートは、着こなし次第では老けて見えたり、ルーズに見えたり……。そこをアマンディーヌさんは、小物使いでしっかりカバー!
キルティングがアクセントのブラックレザーのミニバッグを斜めがけし、フレッシュさをプラス。さらには治安の心配なパリで、バッグのチェーンに外付けした鍵までアクセサリーにしてしまっているあたりも、大胆です。
マニッシュなレースアップシューズでさりげなく個性を
さて、私がこの秋冬のパリジェンヌたちの足元を眺めていて思ったのが、特に20〜30代の女性たちの多くが“ゴツめ”のブーツをチョイスしているということ。アマンディーヌさんは、ハードとトラッドのバランスの良いレースアップのロングブーツをチョイス。エレガントなコートにもフィットしながら、今らしいハードさを加え、定番スタイルに新鮮な空気をもたらしています。
ヴィンテージアイテムやトレンドに左右されない長く愛せるアイテム選びに長けているパリジェンヌたちは、一方で、小物使いで時代のムードを感じさせる術にも長けているのです。
もう少し続くフランスの冬を楽しくおしゃれに過ごすために、アマンディーヌさんを参考に、早速10年来愛用するテーラードコートのガウン風の着こなしにトライしている私です。
MEMO
着こなしのひと技でいつものコートも違う顔に
次回は小物使いがキュートな女性をキャッチ! 2月18日配信予定。
写真/Olivier Leroy
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ルロワ 河島 裕子 / Hiroko Kawashima Leroy
ファッションライター
『家庭画報』をはじめ大人の女性に向けた雑誌で、ファッションやジュエリー、時計を中心に幅広く執筆。2018年より、家族とともに、拠点をフランス北部の田舎に移す。2019年夏、ついに憧れのブルゴーニュに家を購入! 夢は夫とともにB&Bを営むこと。家庭画報.comで、パリの第一線で活躍する日本人のルポルタージュ「
美を紡ぐ人々」、行き当たりばったりのフランス移住エッセイ「
意外となんとかなる!? 40代のフランス移住」を連載中。