ファンシーカラーダイヤモンドの圧倒的な美しさを堪能する
インクルージョンのほとんどない、非常に澄んだファンシーカラーは、まさにティファニーブルーともいうべき他にはない色合いです。内側から光り輝くような優しく品のいい美しさで、人々の心を魅了します。リング(Pt×ファンシー グリニッシュ ブルーダイヤモンド2.02ct×ダイヤモンド)1億2065万円/ティファニー ●お問い合わせ/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク TEL:0120-488-712カラーダイヤモンドは宝石界のトップスターに
解説/山口 遼(宝石史研究家)
色といい形といい、久々に、素晴らしいとしかいいようのないジュエリーの登場です。「ティファニー」のカラーダイヤモンドの指輪で、優しい丸みを帯びたクッションカットのダイヤモンドです。
この連載でも以前何度かダイヤモンドの色石化について書きましたが、その傾向はますます進んでいます。カラーダイヤモンドは今や、宝石業界のトップスターともいうべき存在です。こうしたことが起きるのは、供給と消費の両面からしかるべき理由があります。
供給の方は単純なこと、ダイヤモンドの産出量が1億カラットを超えるまでに増えたので、相対的に希少な色のあるダイヤモンドも増えたのです。消費の方は、従来の白に飽き足らない層に向けて、新しい宝石として注目を集めているのです。
このダイヤモンドは、ティファニーが自信を持って世に出すだけのことはあります。色合いが実に繊細、正確にはグリニッシュブルーと呼ばれる、青の中に少し緑が入った希少な色です。
カラーダイヤモンドの中でも、ブルー系の色のものは比較的多いのですが、混じりのないブルーはほとんどなく、多くは黒色などが混入して冴えた色にはなりません。
このブルーとグリーンという色は、ともに日本人が大好きな色。これを一緒にした色名には金春色、新橋色、水浅黄などたくさんあり、日本人好みの繊細な色なのです。なかなか渋いところを狙ってきた、ティファニーらしい名品ですね。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2021年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。