メイドインジャパンの真髄を堪能できる煌めき
カラーレスとイエローのブリオレットカットダイヤモンドが優しい色調を奏でるネックレス。気の遠くなるほど緻密な職人技が叶えた、極めてシンプルかつエレガントなデザインは、まとう女性の美を内面から引き出し、ノーブルな表情を約束します。日本人であることを誇りに思える輝きが、ここにあります。ネックレス(YG×ダイヤモンド計92.875ct×イエローダイヤモンド計61.888ct)8800万円/ギメル ●お問い合わせ/ギメルトレーディング TEL:0797(22)0850デリケートな感性と緻密な職人技の結晶
解説/山口 遼(宝石史研究家)
今回ご紹介するのは「ギメル」の最新作、ダイヤモンドのネックレスです。まったく奇をてらわない、これ以上の作りは無いだろうという傑作です。
使われているダイヤモンドのユニークさ、職人の技術の異様なまでの精密さ、どれを取っても、ジュエリーに詳しい人なら、これはインドのものかと思うかもしれません。
もちろんそんな訳はなく、芦屋の工房の日本の職人の手によるものです。
ダイヤモンドは全て水滴形のブリオレットと呼ばれるカット、しかも無色から綺麗な黄色に至るさまざまな濃淡の色合いのものを、交ぜて使っています。
水滴形の細くなる部分に横に孔をあけて、そこに極細の金線を通し、それを丸い輪を連ねた台座に取り付けてあります。
ですから、ダイヤモンドは全て縦方向に自在に動きます。それを総計で600個以上、縦に5列並べ、全体の幅も少しずつグラデーションさせるという、驚くほど微細な作りです。
全体に流れるデリケートさと微妙な色彩の配置は、どう見てもインドのものではない。しかし世界中の宝石商にこれを見せても、日本人の作品だという人はほとんどいないでしょう。
それほどに既存の日本のジュエリーとは隔絶されたものです。おそらく現代の日本のジュエリーにおける最高傑作だと思います。60年近くジュエリーを見続けていますが、よくもここまで来たものだという感慨を覚える名作です。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2021年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。