色の魔術師が手がけた圧倒的な華やかさに魅了される
生きる喜びを祝福するような、大粒かつ鮮やかな色石の数々。計算し尽くされたバランスでそれぞれの色を引き立て合い、グラマラスな美を奏でます。ネックレス「バロッコ」コレクション(PG×ルベライト31ct×トパーズ計50.4ct×シトリン10.82ct×アメシスト16.32ct×グリーンクォーツ10.87ct×ペリドット26.78ct×ダイヤモンド計41.47ct)8144万4000円(予定価格)/ブルガリ ●お問い合わせ/ブルガリ ジャパン TEL:03(6362)0100イタリアならではの色と技術が生む傑作
解説/山口 遼(宝石史研究家)
グランメゾンと呼ばれる大宝石店には、それぞれに立派な「顔」があります。一般的にはイコンまたはアイコンと呼ばれ、顔と同じように、見れば、ああ、あのブランドねとすぐわかるものをいいます。
今回ご紹介する「ブルガリ」の場合、アイコンは特定のデザインというより、他の宝石店には絶対真似のできない、絢爛豪華な色使いにあります。一つのジュエリーで3色以上の宝石が使われていたら、まずはブルガリかなと思うのが宝石業界の常識です。
この最新作のネックレスは、端正なルネッサンス様式が終わり、感情の赴くままに曲線を多用し華麗なデザインを生み出したバロック様式を基に、いかにもイタリアらしい多彩な色と繊細な技術で作り上げたもの。瞬時にブルガリとわかる傑作です。
中央のルベライトとその左右に3色ずつ広がる宝石、それに赤みの強い金の色と無色のダイヤモンド。一つのジュエリーにこれほどたくさんの色を使っていても、少しも煩(うるさ)いと感じない。これはすごいことです。
7個の色石はすべてふんわりとしたクッションカット、さらによく見ないとわかりにくいですが、ダイヤモンドのパヴェ留めのパーツも、すべて平面ではなく軽く丸みを帯びています。
それらがあたたかな金の色と相まって、ネックレス全体に非常に女性らしい華やかさを与えているのです。これぞブルガリのお家芸といえるでしょう。
表示価格はすべて税込みです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2021年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。