ようこそ、ジュエリー美術館へ 第18回(全20回) 見る人、装う人に愛と夢を与え、胸を高鳴らせるジュエリー。今、時代が、世界が、ジュエリーの持つポジティブなパワーを求めています。輝き、色彩、めくるめくデザインを集めた美術館の扉が、ここに開きます。
前回の記事はこちら>> 四季への慈しみを形に。心に響く日本のジュエリー
移ろいゆく季節の中で私たちは、生きとし生けるものを慈しむ心を育んできました。日本人特有の美意識や想像力、その感性を形にする卓越した職人技を持つ日本のジュエラーの繊細な美の世界をご覧ください。
01.春
水彩画のように命の煌めきを描く巧みな色石づかい02.夏
ダイヤモンドと真珠がもたらす花々のフレッシュな輝き03.秋
金工細工と宝石が織り成す幽玄の美の世界04.冬
自然の優しさを永遠の輝きに昇華「秋」
金工細工と宝石が織り成す幽玄の美の世界
上・ブローチ「松虫」( Pt×YG×赤銅×四分一×ダイヤモンド)847万円/ノブコイシカワ 中・純金オブジェ「ふくろう」(K24、高さ約4.2×幅約3.8センチ)135万円/ギンザタナカ 下・ネックレス(Pt×ブラウンダイヤモンド&ダイヤモンド計35.27ct)2750万円/カシケイ上・能の世界をテーマに、草に寄り沿う松虫や露を月にあしらって。銅に3~5パーセントの金を混ぜ紫がかった黒に仕上げた赤銅を桜と萩の形に切り抜き、プラチナや18金を隙間なくはめる伝統技法“切嵌象嵌(きりばめぞうがん)”を用いた典雅な作品。
中・木彫り彫刻家のはしもとみおさんとコラボレーションした動物オブジェに、ふくろうが仲間入り。職人の手作業によって、木彫りの優しい風合いを純金で実現。
下・飴色のなめらかな階調を叶えるため、石の買い付けから制作まで一貫して行う「カシケイ」。成熟したブラウンの煌めきは、丹念な研磨と計算し尽くされたカッティングによって生まれます。
撮影/栗本 光 スタイリング/阿部美恵
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。