ようこそ、ジュエリー美術館へ 最終回(全20回) 見る人、装う人に愛と夢を与え、胸を高鳴らせるジュエリー。今、時代が、世界が、ジュエリーの持つポジティブなパワーを求めています。輝き、色彩、めくるめくデザインを集めた美術館の扉が、ここに開きます。
前回の記事はこちら>> “ボーン カフ”、“オープン ハート”“ビーン”といった「ティファニー」を代表するジュエリーを生み出したデザイナー、エルサ・ペレッティ。時代を超えて愛される伝説のジュエリーを女優の板谷由夏さんがクールにスタイリッシュに装います。
力強く凜々しいモダンな女性らしさを象徴すべて「エルサ・ペレッティ™」、“ボーン カフ”(SS)各24万2000円 “ハイ タイド ピアス”(SS)8万1400円/すべてティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク) ニット7万1500円 パンツ6万9300円/ともにヌメロ ヴェントゥーノ(イザ)ダイナミックなシルバーの“ボーン カフ”を両腕にまとい、生き生きと現代的な女性像を演じた板谷さん。ワンショルダーの辛口なスタイルに官能的な女性らしさ、艷やかさが見事に際立って。
重ねることで存在感が増すゴールドチェーンの洗練すべて「エルサ・ペレッティ™」、“エージアン ネックレス”(YG)594万円 “エージアン トグル ブレスレット”(YG)236万5000円 “ドーナツ バングル”(YG)スモール286万円 ミディアム297万円/すべてティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク) ジャンプスーツ33万2200円/ラルフ ローレン コレクション(ラルフ ローレン)真っ白な装いにソリッドなイエローゴールドが輝いて。
自然が生み出す造形美を白い煌めきに託してすべて「エルサ・ペレッティ™」、右“セビアナ ペンダント”(Pt×ダイヤモンド×シルクコード)308万円 左“スターフィッシュ ペンダント”(Pt×ダイヤモンド×シルクコード)407万円 “ダイヤモンド バイ ザ ヤード™ ピアス”(Pt×ダイヤモンド)220万円/すべてティファニー(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク) シャツ4万2900円(参考価格)/スポーツマックス(マックスマーラ ジャパン)大胆に開けたデコルテに交差する2つのモチーフ。重ねづけでより個性とインパクトのあるスタイルに。
スカーフのようにジュエリーをまとう革新性ともに「エルサ・ペレッティ™」、“メッシュ スカーフ ネックレス”(YG)407万円 “ダイヤモンド バイ ザ ヤード™ ピアス”(YG×ダイヤモンド)47万3000円/ともにティファニ―(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク) シャツ、パンツ/スタイリスト私物首もとにきゅっと結んだメッシュのネックレスは、まるでファブリックのようなしなやかさ。ゴールドのパーツを繊細に織り上げたゴールドメッシュがボディに沿い、流れるようなラインを描いて。ドレスの胸もとにも映える汎用性の高い逸品。
生き方も作品も先進的な稀代のデザイナー ELSA PERETTI(エルサ・ペレッティ)
黒の装いに“ボトル”ペンダントと“ボーン カフ”バングル。洗練されたシンプルスタイルのエルサ。愛犬と一緒に。©Tiffany & Co./Hilda Moray「アイデアをデザインへと変化させるのは魔法のようなもの」
エルサ・ペレッティ世界で最も成功した女性ジュエリーデザイナーといわれ、数々の革新的な作品を世に送り出してきたエルサ・ペレッティ。
2021年3月に永眠しましたが、彼女の生きた時代を描いたドラマ『ホルストン』にも名脇役として登場するなど、作品だけでなく本人の潔い生き方に世代を超えて注目が集まっています。
大胆に開いたデコルテを輝かせる“ダイヤモンド バイ ザ ヤード™”のネックレスを何本も重ねて。©Tiffany & Co./Jill Kremetz1940年イタリアのフィレンツェに生まれたエルサ・ペレッティ。ローマとスイスで教育を受けた後、スペインでモデルとして活動。1968年にニューヨークへ渡りトップモデルとして活躍する中、時代の寵児といわれたデザイナー、ホルストンとの運命的な出会いを果たします。
その他、トルーマン・カポーティやサルバドール・ダリ、ライザ・ミネリなど多くのアーティストと交流を深め、ニューヨーク社交界のファッション・アイコンとして君臨。その後、ジョルジオ・ディ・サンタンジェロのコレクションでジュエリーのデザインを手がけたことから、ティファニーと専属契約を結び、のちに伝説となる作品が生み出されるのです。
1971年秋に行われた「ホルストン」のコレクションで、モデルを務めたエルサ・ペレッティ。©Tiffany & Co./James Hamilton自然やアートから着想を得た独創的なデザインや、スターリングシルバーをハイジュエリーの世界へと復活させた革新的な試みは、自分らしい生き方を貫いてきた彼女だからこそ成し得たこと。今、あらためて彼女の功績と作品に触れ、その魅力を堪能したいものです。
写真左は“ビーン”ネックレス。右はスネークをモチーフにしたネックレス。©Tiffany & Co./Hilda Morayフォトギャラリーを見る>> 撮影/土屋文護〈Tron〉 スタイリング/伊藤美佐季 ヘア/西村浩一〈VOW-VOW〉 メイク/村松朋広〈関川事務所〉 構成・文/土橋育子
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。