シャネルらしさをモダンな輝きで実現して
太陽の光のように輝く7ctを超えるファンシーインテンスイエローダイヤモンドから、まるでツイード生地がほぐれるようにカスケードネックレスへと表情を変える、見事なデザイン。繊細なつくりでモダンかつ軽やかな煌めきを実現させた、シャネルらしさが詰まった逸品です。ネックレス「ツイード デテ」(YG×WG×イエローダイヤモンド7.1ct×ダイヤモンド)2億2429万円(参考価格)/シャネル ●お問い合わせ/シャネル カスタマーケア TEL:0120-525-519ツイード生地がほぐれてカスケードに
解説/山口 遼(宝石史研究家)
7本の長短のダイヤモンドの線を連ねた、一見シンプルに見えるネックレスは「シャネル」の作品ですが、これは見かけほど単純なものではありません。創業者であるマドモアゼルのさまざまな思いが、デザインに込められています。
左胸の上のところに7カラット超のイエローダイヤモンドを配し、その下には彼女が一生を通じて愛してやまなかったツイードの生地模様を表現しています。
イエローゴールドとホワイトゴールドとダイヤモンドとで、あたかも織り上げた生地のような繊細なつくりでデザインされたそこから、ツイードの糸が解けたかのように、7本のラインを伸ばし、しなやかなロングネックレスとしてデザインしています。
思い出してみてください、マドモアゼルといえば、幾重にも連なる長い真珠のネックレスをまとった姿が有名です。この、一般的にはカスケードと呼ばれる、複数のラインの長いネックレスこそ、彼女のシンボルともいえるデザインだったのです。
使われているダイヤモンドはラウンドとスクエアだけですが、台座の形と地金を変えることで、微妙な変化をつけています。シンプルに見えるデザインの中に、マドモアゼルが生涯にわたって愛し、使い続けたデザインモチーフが見事に表現されている。どこから見てもシャネルを感じることができる名作ですね。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2022年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。