時を超えて羽ばたくジャン・シュランバージェの名品
12ct強のクッションシェイプ。ファンシーインテンスイエローダイヤモンド。資産価値のある宝石かつ、万人の心に響く愛らしいデザインは、まさに不朽の名作といえるでしょう。ブローチ「ジャン・シュランバージェ バードオン ア ロック」(Pt×YG×ファンシーインテンスイエローダイヤモンド12.25ct×ダイヤモンド×ピンクサファイア)1億1946万円(参考価格)/ティファニー ●お問い合わせ/ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク TEL:0120-488-712日本上陸50周年にふさわしい格別の存在
解説/山口 遼(宝石史研究家)
12カラットを超えるカナリー色のダイヤモンドの上に、小さなダイヤモンドをまとった小鳥が一羽。「ティファニー」が、日本に上陸して50周年という記念すべき年に来日した新作である。あれ、どこかで見たとおっしゃる方は、ジュエリー通ですね。
このジュエリーのオリジナルは、1956年からティファニー社の専属デザイナーとなった、フランス人のジャン・シュランバージェによって作られた。とりわけ、世界最高のカナリー色のダイヤモンドとして知られていた128カラット強の石「ティファニー ダイヤモンド」の上に小鳥を一羽乗せたブローチを発表したものが名高い。
シュランバージェはフランスで活躍したのち、ティファニーで働き、絢爛たる色石を多用して、花や鳥、海洋生物などのデザインの極めてカラフルな作品を多く残した。20世紀後半を代表する世界的なデザイナーである。
このデザインは「バード オン ア ロック」と呼ばれ、ティファニーの歴史の中でも格別の作品として存在する。小鳥がとまる宝石をいろいろと替えて、このデザインの作品は多数作られ、販売されている。
だが、この写真のようなカナリー色のダイヤモンドを用いたものは少ない。それが日本にやって来たということは、ティファニーの日本上陸50周年への思いの強さを示すものであろう。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2022年10月号掲載。
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