360度、どこから見ても惹きつけられる可愛らしさ
ホワイトとコニャックカラーのダイヤモンドを組み合わせた、緻密なパヴェセッティングが光るリングは、指に着けると柴犬と目が合う絶妙な角度。愛嬌のある尻尾が秀逸な後ろ姿にも心ときめきます。手もとに愛犬がいるという幸福感に包まれ、この上ない癒やしを感じるデザインです。リング(WG×ダイヤモンド×カラーダイヤモンド×オニキス)1386万円(参考価格)/ショパール ●お問い合わせ/ショパール ジャパン プレス TEL:03(5524)8922パヴェセッティングの緻密な技術が窺える
解説/山口 遼(宝石史研究家)
今、ペットブームとかで猫の人気が高まっているそうですが、犬の人気も不動、特に日本原産の犬は人気が高いと聞きます。この指輪は「ショパール」の最新作で、日本犬のなかでも特に人気のある柴犬をデザインしたもの。日本のためだけにデザインされたもので、完全に同じピースは他に制作されません。
作りは典型的なパヴェセッティングで、白とカラーダイヤモンドで全身を覆い、身体の模様を生み出しています。カラーダイヤモンドはかなり濃い色のものを使っており、コニャックカラーという場合もありますが、まあ、これだけの数を同じ色調のもので揃えるのは、思うよりも大変です。
パヴェというのは敷石状に石を埋め込む技術をいいますが、平面ならともかく、ほとんどが曲面の所にパヴェの技術を使うのは、恐ろしく手間がかかる。おそらく、最初に金属の部分 ── これはホワイトゴールドですが ── に精密に穴を開けて、その穴のサイズに合うダイヤモンドを探して埋め込んで行ったものと思います。それはそれは大変な仕事です。
目にはオニキスを埋め込み、アクセントにしています。鼻もかわいい。前足の表情も見事ですし、後ろ姿の尻尾も絶妙です。
実際に犬を飼うのはたいへん手間がかかります。毎日散歩に連れ出すだけでも大ごとです。ならばこの柴犬をペットのように慈しみ、毎日一緒に過ごすというのはいかがでしょう、といいたくなる名品です。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2023年4月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。