香港・シンガポール現地取材
私にとっての“価値ある”ジュエリーとは
ジュエリーの価値にはデザインの美しさや資産になり得るかだけでなく、パーソナルな“思い”や“こだわり”が反映されるものです。こよなくジュエリーを愛する二人のマダムにお話を伺いました。(
前回の記事はこちらから。)
カレン・リーさん(香港在住)ジュエリーデザイナー。英国、イタリア、日本で学ぶ。日本滞在中は生け花や日本画までも習得し、センスを磨いたそう。カラーダイヤモンドを使った自作のネックレスをつけて。「ほかの投資とは違い、ジュエリーは身につけて楽しめるのが魅力」―カレン・リーさん
香港・セントラル地区にオフィスを構えるカレン・リーさん。2003年から自身の名前で作品を発表しているジュエリーデザイナーです。
子どもの頃からジュエリーに親しみ、親についてオークションを見学に行ったり、価格や値動きを勉強しながらデザインにも興味を持つようになったそう。
イギリスで恋に落ちた18世紀のデザイン
イギリスでジュエリーの勉強をしていたときに出会った18世紀のアンティークジュエリーが特に気に入り、収集をしているそう。
「ジュエリーは資産としては不動産と似ているけれど、身につけて楽しむことができるのが一番の魅力。だから本当に好きなものを買うべきだと思います。
また、香港では赤ちゃんに贈る最初のプレゼントがジェイド(翡翠)。お守りとして身につける人も多いですね。私も祖母から受け継いだ翡翠のコレクションを大事にしています」。
“宝石はアートの一種”として、自分で描いた油絵に宝石をあしらった作品も製作するなど石を知り尽くしているカレンさん。
「顧客のかたに価値が上がる可能性があるジュエリーは? と聞かれたら、カラーダイヤモンドをおすすめします」。
カレン・リーさんのコレクション
オークションで落札した、18世紀のネックレスとペンダントのパリュール。
「この時代のカットや技巧は今とは違うので心惹かれます。オークションもよくチェックしますが、古いものは、信頼のおけるコレクターから購入することも」。
こちらもおばあさまから譲り受けたというブレスレット。手首を覆う翡翠とダイヤモンドに加え、ダイヤモンドが緻密に埋め込まれたチェーン部分の美しさにも注目を。
大粒の翡翠を、バゲットカットのダイヤモンドの連なりがフリルのように取り囲んだリングもおばあさまからのもの。
「このクラシカルなデザインは人気が高く、リメイクものもありますが、フリルのなめらかさがまったく違うんです」。
カレンさんがデザインしたネックレス。コロンビア産の大粒エメラルドにインスピレーションを得て、“命”をイメージし製作したそう。「この石から感じられる強いエネルギーを生かしました」。
●カレンさんの作品はこちらから
www.karenjewel.net