もっと早く知りたかった
ジュエリーの選び方&つけこなし方
文/ルロワ 河島 裕子 (ファッションライター)
私の個人的なことをお話しすると、年齢を重ねるごとに、ファッション(服)はシンプルでベーシックなものに心惹かれるようになってきました。
それは、時を経ても色褪せないものに魅力を感じ始めたと同時に、個性が固まり切らずファッションに個性を求めていた若かりし頃に比べると、少なからず“自分らしさ”が確立され、ファッションに頼らずとも自己を表現できるようになったからかもしれません。
伊藤美佐季著(ダイヤモンド社)
一方ジュエリーは、というと、むしろ大人になってからのほうが、より“自分らしさ”にこだわり、大胆に楽しんでいる気がします。高価であるがゆえに服以上に吟味を重ねるということもありますが、“長く人生に寄り添う”という視点で選ばれたアイテムだからこそ、ジュエリーには服以上に「その人の生き方」が表れるものだと思うのです。
私には、仕事でお会いするたびに、必ずそのジュエリーづかいを観察していた女性がいます。その方が『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』の著者である伊藤美佐季さん。
モードとエレガンスの絶妙なバランスと、とりわけ洗練されたジュエリーのスタイリングに定評のある、『家庭画報』をはじめ、多くの女性誌で活躍する人気スタイリストです。
ジュエリーの楽しみが格段にアップする
お洒落のワザがいっぱい
ご本人も「私のように回り道をすることなく」と語っているように、もっと若い時に出会いたかった!と心の底から悔やんでしまった、ジュエリーづかいの指針となる教科書のような本。
ですが、40代になってもハッとさせられるお洒落のヒントや、今更聞けないジュエリー選びの基本のルールが惜しみなく紹介されています。
これさえ押さえれば毎日のお洒落が決まる「基本の7アイテム」や、失敗しないネックレスの選び方など、初歩の初歩をその理由とともに懇切丁寧に解説。漠然と当たり前だと考えていたお洒落のルールも、感覚だけでなく理論的にも理解することができ、さまざまなジュエリーづかいに応用する知識が得られるのも嬉しいポイントです。
パールネックレスやエタニティリング
定番ものこそ理解を深めたい
パールネックレスやエタニティリングなど、多くの人がジュエリーを揃え始めた頃に興味を持つアイテムについても、実に丁寧に説明しています。
“まずは、長すぎず短すぎない
「マチネーレングス」のパールネックレス”
なかでも私が読み込んでしまったのが、「まずは、長すぎず短すぎない『マチネー レングス』のパールネックレス」という項。
ここでは、約60cmの“マチネー レングス”と服との相性、これが「絶妙なお洒落っぽさ」を醸し出す長さであることなどを改めて学び直し、冠婚葬祭でしか活躍しなくなってしまったパールネックレス選びの自らの失敗と重ね合わせ、リベンジを誓ったのでした。 エタニティリングについては、そのバリエーションやそれぞれの魅力を解説。
どんな年齢にも似合うデザインがあることなど、今だけでなくこの先も役立つ情報もさりげなく盛り込まれています。