気分が高揚するドラマティックな配色
1980年代にインスピレーションを得た新作“ワイルドポップ”コレクション。華やかな色彩に満ちたネックレスは、アンディ・ウォーホルのアートを彷彿させて。きらびやかな個性で視線を集めます。ネックレス(PG×タンザナイト46.2ct×ブルートパーズ43.81ct×シトリン34.7ct×ルベライト25.33ct×アメシスト24.46ct×ダイヤモンド)3763万円(予定価格)/ブルガリ ●お問い合わせ/ブルガリ ジャパン TEL:03(6362)0100半貴石は、貴石に劣るものではない
解説/山口 遼(宝石史研究家)
この連載も、早いものでもう6年を超えていますが、これまでご紹介してきたジュエリーの中で、今回の「ブルガリ」のジュエリーほど大胆不敵なものはないでしょう。
最小のものでも20カラット以上、最大のものは40カラット以上の、1つだけでもびっくりするような大きさの色石を5個。ルベライト、ブルートパーズ、タンザナイト、シトリン、アメシストをすべてダイヤモンドで取り巻き、幅の広いベルト状のネックレスに取り付けています。
五石はすべて宝石業界では半貴石と呼ばれるもので、この半という言葉は、人間の都合でつけたものです。
貴石——ルビーやエメラルドなど——よりも価値が低い、つまりたくさん採れるから、半分の価値という意味で半というのですが、美しさだけでいえばそれは好みの問題であり、決して貴石に劣るものではありません。
ブルガリは創立以来、この色石を自在に使うことで群を抜く巧さを見せてきた宝石店です。
それにしても、ここまで大胆なジュエリーは、さすがのブルガリも多くは作っていません。
1つの作品に5色という、ジュエリーの常識ではほとんど禁じ手に近いデザインでありながら、まったく下品さを感じさせない、逆に、堂々と正面切って色の美しさを堪能してくださいといっているようなジュエリーです。
この大胆さこそ、色石使いのチャンピオン、ブルガリといえるでしょう。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2019年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。