美しい調和を奏でる白い輝きに魅了される
白蝶真珠のまろやかさと絶妙に響き合う、ローズカットダイヤモンドの優しい輝き──。決して主張の強いデザインではないのに、圧倒的な存在感とこの上ない気品を湛えた一本に、日本が誇るハイジュエラーの底力を感じます。ネックレス(WG×白蝶真珠11.81~14.2ミリ×ダイヤモンド)6200万円/ミキモト ●お問い合わせ/ミキモト カスタマーズ・サービスセンター TEL:0120-868-254真珠とダイヤモンドの組み合わせの妙
解説/山口 遼(宝石史研究家)
一つのジュエリーに複数の宝石を使う場合、そのバランスを考えるのは非常に難しいものです。
真珠をダイヤモンドで取り巻いた指輪などのように、真珠が主でダイヤモンドが従というデザインなら分かりやすいですが、このジュエリーのように主従が曖昧な場合、見た目より苦労の多いデザインであるといえます。
これは真珠が代名詞のような存在である「ミキモト」のものですから、真珠が主だろうと思いますが、素材のコストからいえばダイヤモンドが主かも知れません。
ダイヤモンドは高価ですから、大きさを真珠と同じにしたらなかなか大変なことになります。
このネックレスには非常に変わったカットのダイヤモンドが使われています。
外形はドロップ、カットはローズカット。比較的平らな形をした、クラシカルなカット方法です。おそらく特別に注文したものでしょう。ブリリアントカットのように下にカットした部分がないので、実際のカラット数より大きく見えます。
平らですから、ダイヤモンドが上に飛び出すこともありません。
これは立体的な真珠に合わせて絶妙な高さにダイヤモンドをセットしてあるので、宝石同士の座り具合が完璧です。きっちり平らに、肌に均一に沿います。
このあたりは、真珠を熟知したブランドならではの非常にうまい細工ですね。デザインはシンプルかつ、つけ心地は最高ですよ。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/栗本 光
『家庭画報』2020年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。