【特集】あの最高峰時計はなぜ愛されるのか? 家庭画報.comが最高峰時計ブランドの“愛される理由”を徹底分析。各ブランドから、歴史や性能を楽しめる「入門時計」、私のスタイルにフィットする「定番時計」、いつかは欲しい「夢時計」の3本をご紹介します。
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「ルイ・ヴィトン」はトランク職人であった創業者のルイ・ヴィトンが、1854年にパリ・ヴァンドーム広場から程近い、ヌーヴ・デ・カプシーヌ通り4番地に自らのアトリエを開いたことから始まりました。ルイ・ヴィトンのトランクは非常に評判が高く、1859年にはパリ北部のアニエールにアトリエを開業し、この地で今も約170名の職人がレザーグッズや世界中の顧客のためのスペシャルオーダーを製作しています。このクリエイティブで、エレガントかつ実用的という創業者が生み出した「旅の真髄(こころ)」の精神に忠実に、伝統を重んじながら、バッグ、ファッション、トラベル、宝飾など幅広いアイテムを世界中の顧客に提案しています。
©Archives Louis Vuitton Malletier(写真上)20世紀初頭のアニエールのアトリエ。匠の技でトランクを作る職人たち。19世紀末の旅のスタイルは、洋服や身のまわりのもの一式をトランクに入れて持ち運んでおり、トランクはオーダーで製作されていました。(写真下)トランクで使用されているモノグラム・キャンバスは1896年に考案。メゾンのアイコニックなモチーフとして愛されています。©Vuitton Malletier Antoine Jarrier次世代ウォッチの開発も
ルイ・ヴィトンの時計製作は21世紀から始まりました。2002年に初のウォッチコレクション「タンブール」を発表。フランス語で“ドラム”を意味し、その名のとおり太鼓のようなフォルムは1540年に作られた初期の携帯時計“ドラムクロック”に由来しています。文字盤の色にはスーツケースに象徴されるブラウンを、秒針の色にはレザーグッズのステッチとマッチするイエローを採用し、伝統を腕時計においても表現しています。シンプルなモデルからクロノグラフやトゥールビヨン、スピンタイムなど複雑機構のモデルを製作し、バーゼルワールドに出展するなどウォッチメーカーとしての評価を築き上げています。
2014年にはジュネーブに時計製造アトリエ「ラ・ファブリク・デュ・タン・ルイ・ヴィトン」を創設。時計製造に不可欠な匠の技を集結させたこのアトリエには、ムーブメントからケース、文字盤にいたるまで、ルイ・ヴィトンのクリエイティビティを実現する環境が整っています。伝統やクラフツマンシップ、イノベーションに敬意を払い、「旅」と「時間」を融合させて、最高の逸品を創り上げています。
2002年に発売された「タンブール オトマティック クロノグラフ LV277」。この独特のブラウンが、ルイ・ヴィトンのアイコンであるモノグラムシリーズを連想させます。スイスのジュネーブ郊外の自社アトリエには、時計職人、技師、デザイナーなど「時間」のエキスパートが集い、「旅」にまつわる新たなコンプリケーションウォッチや革新的な技術開発に情熱を注いでいます。次世代ウォッチの開発も進み、2017年にスマートフォンと連動するコネクテッドウォッチ「タンブール ホライゾン」を発表。フライト、電車、ホテル&旅行情報を表示する「My Travel」、ルイ・ヴィトンおすすめの名所や見どころを紹介する「City Guide」など、旅に特化した独自のトラベル専用機能を備えています。またフェイスをカスタマイズして自分だけのダイヤルに仕上げることができるのも魅力的です。目的やライフスタイルでクォーツ、複雑機構、デジタルを使い分けるという、21世紀らしい腕時計の在り方をルイ・ヴィトンは提案しています。
2019年に発表されたコネクテッドウォッチ「タンブール ホライゾン ホワイトセラミック」(52万円~)。ポリッシュ仕上げのホワイトセラミックを使用することでラグジュアリー感がアップ。ルイ・ヴィトンの「旅の真髄(こころ)」が凝縮されているコネクテッドウォッチは、これからの旅の相棒にお勧め。 表示価格はすべて税別です。 撮影/サトウアサ 取材・文/磯 由利子 スタイリング/長谷川 綾