鮭がずらりと並ぶ様子は圧巻。写真/きっかわ
その代表的な一品が「塩引き鮭」です。鮭に粗塩をひいて塩漬けにしたのち、北西から吹く寒風にさらし3週間ほどじっくりと干します。そうすることで発酵が進み、独特のうまみが生まれるのです。「年取り魚」とも呼ばれる塩引き鮭は大晦日の食卓の主役で、村上の祝いの席には欠かせない料理です。軽く焼くだけでもおいしいですが、その熟成のうまみを生かすアレンジレシピを新潟県出身である料理研究家の坂田阿希子さんに教えていただきました。
坂田阿希子さんは家庭で取り入れやすい気のきいたレシピを提案。『和えるおかず』(小社刊)など。
「力強いうまみと塩気があるので、“調味料”としてとらえるとさまざまな料理に使えます。苦みのある野菜とあえるだけでお酒のすすむ一品に。アイディア次第で多様に楽しめる、新潟が誇る逸品ですね」。
ほかにも、塩引き鮭をさらに1年熟成させた「酒びたし」や特製のかえし醬油に漬け込んだ「焼漬」など、ここでしか出合えない美味をご家庭で楽しまれてはいかがでしょうか。
手前は「塩引き鮭とクレソンのあえもの」。しょうがひとかけをせん切りにし、太白ごま油大さじ2と1/2でチリチリになるまで炒め、焼いてほぐした塩引き鮭1切れにかける。すだちの絞り汁と塩ゆでしたクレソン3束を加えてあえる。
奥は「かぶのスープ」。かぶ(大)4個をバター30グラムと水1/2カップで柔らかく煮てミキサーにかける。牛乳100ccと塩少々を加えて軽く煮たら器に盛り、こんがりと焼いてほぐした塩引き鮭とセルフィーユを飾る。
表示価格はすべて税抜きです。
「家庭画報」2018年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。