コロナによる生活の変化で腸が不調になる人もいる
一方、「コロナ禍で外出がままならず、家に居る時間が長い生活が腸に影響している可能性がある」と鳥居先生。
「リモートワークで仕事がしにくい、家族がいて自由な時間が減ったなどの理由でストレスを抱え、便秘になったり、下痢をしたりしやすくなったという患者さんがいます。過敏性腸症候群で乗り物に乗るのが不安なかたはリモートワークで楽になったと聞きますが、逆に生活リズムが変わって悪化した患者さんもいました」。
散歩やスポーツクラブに行く回数を減らしたために運動不足になり、それが便秘を誘発しているケースもありそうです。
腸の調子、便の形状や排便回数は心身の状態を反映します。コロナ禍の今、おなかや便の状態にこれまで以上に意識を向けていきたいものです。
便秘や下痢などの症状については家族でも話しにくいという人もいるでしょう。
「消化器の専門医は、大腸がん、炎症性腸疾患など、さらに専門が分かれています。日常的な便秘や下痢が気になるならば、機能性消化管疾患を専門にする医師をインターネットなどで探すといいでしょう」(鳥居先生)。
取材・文/小島あゆみ イラスト/にれいさちこ
『家庭画報』2021年10月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。