鼻から香りを嗅ぐよりも料理を食べたほうが効果的
「味覚、嗅覚、触覚、温度に働きかけるスパイスは総合力で健康効果を高めます」── 篠原一之先生朝岡 スパイスの香りをどのように活用すると健康効果が高められますか。
篠原 私たちの研究では口の中から鼻腔の嗅神経を刺激する方法が最も効果が高いことがわかっています。つまり、朝岡さんが提案されてきたスパイスの香りを生かした料理を食べることが味覚、嗅覚、触覚、温度を刺激し、スパイスの総合力を発揮する最高の方法なのです。
朝岡 鼻から嗅ぐよりも効果が高いのは意外ですが、とっても嬉しいです。
篠原 効果面でいうと鼻から嗅神経を刺激する場合は20分しっかり嗅ぐことが必要です。それには密閉された空間がよく、バスタイムがおすすめです。
朝岡 私はスパイスを自分でブレンドした入浴剤を使っていますよ。
篠原 複雑な香りにすると高級感が出るのでブレンドはいい工夫です。スパイスの魅力を知り尽くし、たくさんの引き出しを持っていらっしゃる朝岡さんに香りを楽しむ方法をぜひ教えていただきたい。
朝岡 私こそスパイスの新しい扉が開いたような気持ちです。同世代の女性が暮らしの中に健康効果が期待されるスパイスを一つでも取り入れて更年期のゆらぎを乗り切ってくださるよう、私のスパイス活用術を惜しみなくご紹介させていただきます。
〔特集〕女性ホルモンに働きかける スパイスの香りで健やかに(全9回)
撮影/鍋島徳恭、本誌・武蔵俊介 スタイリング/阿部美恵 取材・文/渡辺千鶴
『家庭画報』2022年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。