日本の絶景神社巡り 第5回(全19回) 心の平安と開運を祈願して、『古事記』ゆかりの神様に会いに行く、わが家に神様をお迎えする、という2つのアプローチで日本の神様と真摯に向き合います。
前回の記事はこちら>> 【日本人の教養】神社の絵図で辿る、『古事記』のあらすじ
日本の成り立ちや日本人の原点を知ることができる神話の宝庫、『古事記』。平藤喜久子先生に伺った名場面をおさらいしましょう。
日本最古の歴史書『古事記』。飛鳥時代、天武天皇が国の成り立ちを国内外に示すため編纂を命じました。知識が豊富で、さまざまな書物に通じていた稗田阿礼(ひえだのあれ)が語った「帝紀(天皇の系譜)」と「旧辞(神話や伝承)」を太安万侶(おおのやすまろ)が編集し、712年に完成。
「まず混沌とした世界が始まり、そこから神々が生まれます。天皇の祖先は最初に山の神様と繫がり、後に海の神様の娘と繫がりをもつようになっていく過程がわかります。山と海を治めた神々の系譜が天皇家へと結びついていく物語が伝えられています」と平藤喜久子さん。
古事記は『日本書紀』が正史とされたことから、次第に知られなくなりますが、江戸時代に入って、国学者の本居宣長が約35年かけて研究をした解説書『古事記伝』が発端となり、重要性が再認識されるようになります。
取材・文/小倉理加 ●特集内の表記、ふりがなは各神社、著者の指定に準じます。
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。