心の距離を縮めた美しい詩と歌詞
詩や歌詞は短いフレーズでも瞬時に思いを伝え、繫ぐことができる。
『蟻の王』は実在した詩人、劇作家であるアルド・ブライバンティとその教え子との恋愛が発端となった“ブライバンティ事件”という史実をもとに描かれた作品。
『蟻の王』 © Kavac Srl / Ibc Movie/ Tender Stories/(2022)配給:ザジフィルムズ
同性愛が認められていなかった1960年代のイタリアで、アルドと教え子のエットレは恋に落ちるのだが、家族や法律によって引き裂かれてしまう。たとえ周りの誰もが理解できなくても、詩を通して交わす二人の対話には、彼らにだけ見えている光景や感情があることが伝わってくる。
好奇の目にさらされた裁判、同性愛の治療と称して受けさせられる電気ショックなど、困難な日々を送りながらも愛を貫いていく。
イタリアの名匠・ジャンニ・アメリオ監督がこの最新作で愛し合う権利、そして人間としての尊厳を問い直している。
『人生は、美しい』 © 2022 LOTTE ENTERTAINMENT &THE LAMP All Rights Reserved. 配給:ツイン
『人生は、美しい』は余命を告げられた妻が熱望して始まった夫婦にとって最後となる旅を描くことで、二人が歩んで来た道のりや人との出会い、家族の愛などが映し出されていく。
さらにミュージカル仕立てで展開する場面では、どこか懐かしさを感じる韓国のヒット曲の歌詞を通して、登場人物たちが抱えている思いも見えてくる。
『蟻の王』
2022年 イタリア140分
監督・脚本/ジャンニ・アメリオ
脚本/エドアルド・ペティ、フェデリコ・ファバ
出演/ルイジ・ロ・カーショ、エリオ・ジェルマーノ、レオナルド・マルテーゼ、サラ・セラヨッコ
URL/
http://www.zaziefilms.com/arinoo/2023年11月10日よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISUGARDEN CINEMA、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
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2022年 韓国123分
監督/チェ・グッキ
脚本/ペ・セヨン
出演/リュ・スンリョン、ヨム・ジョンア、パク・セワン、オン・ソンウ
2023年11月3日よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開