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ベルリン・フィルメンバーが語る「ヴァルトビューネ」の魅力と楽しみ方

2025.02.13

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〔特集〕名門ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が奏でる ベルリンの森の音楽会 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の「ヴァルトビューネ」。1984年に開催され、今や、ベルリンの夏の音楽シーンに欠かせない風物詩となっています。世界のクラシック音楽ファンからも「一度も見逃したくない」と注目され即完売となるステージでは、普段は見ること、聴くことができない名門オーケストラの楽団員の姿や演奏曲を楽しめます。40年を迎えた2024年の「ヴァルトビューネ」、さらに歴史に残る名シーンの数々を、ベルリン・フィルメンバーの声とともにお届けします。前回の記事はこちら>>

・特集「ベルリンの森の音楽会」の記事一覧はこちらから>>

世界初の日本開催に向けて ── ベルリン・フィルメンバーが語る「ヴァルトビューネ」の魅力と楽しみ方
「かつてないクラシック体験が叶います」

写真/Stefan Hoederath Berliner Philharmoniker

写真/Stefan Hoederath Berliner Philharmoniker

「ヴァルトビューネ」の雰囲気をそのまま日本へお持ちします

第1コンサートマスター 樫本大進(かしもと・だいしん)

第1コンサートマスター 樫本大進(かしもと・だいしん)
1979年イギリス・ロンドン生まれ。フリッツ・クライスラー、ロン=ティボーの両国際音楽コンクールなど、5つの権威ある国際コンクールで優勝。2010年、ベルリン・フィル第1コンサートマスターに正式就任。ソリスト活動と並行し、ヨーロッパ楽壇の最前線で活躍。

ピクニック気分で音楽を楽しめるのが「ヴァルトビューネ」の魅力だと思います。お客様の「楽しもう。夏を楽しもう」という気持ちが全面に出てきているコンサートですので、舞台の上にいる私たちも、いい緊張感の中にいながらすごく楽しんでいます。


大雨の2012年。「私のソロがあったのですが、お客様が帰ってしまうのではないかと(笑)。でも最後まで聴いてくださり──、忘れられないステージです」。

大雨の2012年。「私のソロがあったのですが、お客様が帰ってしまうのではないかと(笑)。でも最後まで聴いてくださり──、忘れられないステージです」。

野外ですので雨が降ることもあります。それでも最後のアンコールまで皆様が残って楽しんでくれる姿を見て、私たちも雨の中でも楽しく弾いています。

また、アンコールの「ベルリンの風」は特別です。皆様が一番盛り上がる姿を見せてくれます。「ベルリンの風」を含め、2025年の夏、「ヴァルトビューネ」の雰囲気をそのまま日本に持って行きますので、ぜひ楽しみにしていてください!

最高のプログラムを日本の河口湖で演奏します

首席フルート奏者 Emmanuel Pahud(エマニュエル・パユ)

首席フルート奏者 Emmanuel Pahud(エマニュエル・パユ)
1970年スイス・ジュネーヴ生まれ。1992年最難関のジュネーヴ国際コンクール第1位。1993年ベルリン・フィル首席奏者就任。2000年に退団し、2001年までジュネーヴ音楽院フルート科教授。2002年楽団に復帰、2008年フランス芸術文化勲章「シュヴァリエ」受章。英国王立音楽院名誉会員。

「ヴァルトビューネ」は、ベルリン・フィルのシーズン最後のコンサートですので、楽団員にとっても皆様と過ごす大切な時間になります。

それまでの室内ホールでの演奏から、開放感溢れる森の中で、大勢の観客、ベルリンの皆様と一緒に楽しめることが私たちにとっても大きな喜びになっています。

「テーマのある回は、毎回お祭りのようにお客様が楽しんでいるので印象的です」。写真は2016年、ヤニック・ネゼ=セガン指揮の「チェコ・ナイト」。©Frank Hoensch

「テーマのある回は、毎回お祭りのようにお客様が楽しんでいるので印象的です」。写真は2016年、ヤニック・ネゼ=セガン指揮の「チェコ・ナイト」。©Frank Hoensch

そして、ベルリンの森から日本の森へ──。日本の皆様の前で「ヴァルトビューネ」を披露できるのがとても楽しみです。

河口湖で指揮をするグスターボ・ドゥダメルは、20代の若い時から定期的にベルリン・フィルで共演していました。その世代を代表する素晴らしい指揮者です。日本のお客様にとっても楽しいコンサートになると思います。

私たちベルリン・フィルにとって特別なコンサートです

首席ホルン奏者 Stefan Dohr(シュテファン・ドール)

首席ホルン奏者 Stefan Dohr(シュテファン・ドール)
1965年ドイツ・ミュンスター生まれ。19歳でフランクフルト歌劇場首席ホルン奏者に就任。バイロイト祝祭管、ニース・フィル、ベルリン・ドイツ響の首席奏者を経て、1993年ベルリン・フィル首席ホルン奏者に就任。ベルリン・フィル・カラヤン・アカデミー、英国王立音楽院などで後進の指導も。楽団評議員会副メンバー。

観客の皆様がピクニックをしながら周囲の人たちとお話ししたりと、すごくアットホームな雰囲気で、普段フィルハーモニーは敷居が高いと感じている人も含めて、ベルリンの「ヴァルトビューネ」は誰もが楽しめるコンサートです。

2017年はグスターボ・ドゥダメルが指揮。「ドゥダメルは、聴衆が熱狂すること間違いなしの素晴らしいエンターテイナーだと思います」。©Monika Rittershaus

2017年はグスターボ・ドゥダメルが指揮。「ドゥダメルは、聴衆が熱狂すること間違いなしの素晴らしいエンターテイナーだと思います」。©Monika Rittershaus

野外ですのでハプニングもあります。天気もそうですし、実は蚊もたくさんいるんです(笑)。演奏中、蚊が1匹指に止まり「あ、刺される!」と思ってもそのまま演奏を続けなくてはいけません。これはあまりよろしくないですね(笑)。

河口湖で開催される「ヴァルトビューネ」は、会場も富士山の麓にあり、とても素晴らしい景観ですね。日本の皆様が楽しんでくださることを願っています。

自然の中で演奏する音楽を楽しんでいただけたら

第2ヴァイオリン奏者 Eva-Maria Tomasi(エヴァ=マリア・トマジ)

第2ヴァイオリン奏者 Eva-Maria Tomasi(エヴァ=マリア・トマジ)
1962年オーストリア・ザルツブルク生まれ。モーツァルテウム大学卒業後、ベルリン・フィルのオーケストラアカデミー奨学生となり、1987~1989年カラヤンが率いたすべてのツアーで代役として演奏。1990年ベルリン・フィル第2ヴァイオリン奏者として正式入団。楽団理事、評議員。

1990年からベルリン・フィルに在籍し、35年となります。私は4人目の女性団員として入団しましたが、100周年となる1982年に初の女性団員として入団したヴァイオリン奏者のマドレーヌ・カルッツォさんが、2021年に定年を迎えられたんです。感慨深いものがありました。

2000年には和太鼓の林 英哲が演奏。「音もすごい迫力があって。息子がちょうど4歳で、林さんにお会いしたときも一緒にいたんです」。

2000年には和太鼓の林 英哲が演奏。「音もすごい迫力があって。息子がちょうど4歳で、林さんにお会いしたときも一緒にいたんです」。

ヴァルトビューネにも多くの歴史があります。小澤征爾さんが登場した回、特にマーカス・ロバーツ・トリオも登場した「ガーシュウィン・ナイト」は、会場の雰囲気も素晴らしく印象的でした。

日本での「ヴァルトビューネ」も特別な演奏になりそうですね。オレンジに染まる夕暮れの空、鳥のさえずりとともに聴こえる音楽を、楽しんでいただけたらと思います。

ベルリン・フィルの唯一無二の音を日本でも

総裁 Andrea Zietzschmann(アンドレア・ツィーチュマン)

総裁 Andrea Zietzschmann(アンドレア・ツィーチュマン)
1970年ドイツ・バーデン・ヴュルテンベルク生まれ。大学在学中より西ドイツ放送や州立歌劇場などで文化マネジメントの経験を積む。これまでオーケストラの創設や4つの放送局に附属するオーケストラの音楽部長や総裁を歴任。2017年ベルリン・フィルのゼネラル・マネージャー(総裁)に就任。

ベルリン・フィルは、一人一人が並外れたクオリティを持ち、言わば130人のソリストたちが集まった唯一無二のオーケストラです。

「2019年のトゥガン・ソヒエフ指揮、メゾソプラノ歌手、マリアンヌ・クレバッサのラヴェル『シェヘラザード』は美しく感動的でした」。

「2019年のトゥガン・ソヒエフ指揮、メゾソプラノ歌手、マリアンヌ・クレバッサのラヴェル『シェヘラザード』は美しく感動的でした」。

メンバー全員の、舞台における情熱も魅力の一つ。何か月も情熱的に世界中で演奏を重ね、シーズン終わりに開催されるこの「ヴァルトビューネ」は、まさにベルリン・フィルにとってグランドフィナーレ。

大勢の観客を前にする野外コンサートは、ベルリン市民、そして私たちにとって大切なプレゼントなのです。

今回、第2の我が家のような日本に、私たちの大切な「ヴァルトビューネ」をお届けできることをとても嬉しく思っています。

世界初の「ヴァルトビューネ」の音に

プロダクション・マネージャー Robert Buchwald(ロベルト・ブッフヴァルト)

プロダクション・マネージャー Robert Buchwald(ロベルト・ブッフヴァルト)
1979年ドイツ・ベルリン生まれ。ウエスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団のオーケストラ・マネージャーなどを経て、2013年よりベルリン・フィルのプロダクション・マネージャーに就任し、舞台責任者を務める。©Stephan Rabold

日本での会場となる河口湖ステラシアターを視察し、感銘を受けました。可動式の屋根で富士山が見えて素晴らしくて......。会場はベルリンより小さいですが、だからこそのメリットもあります。

屋根がない状態でもオケの響きがとても自然でしたので、増幅(アンプ)が必要ないかもしれません。「ヴァルトビューネ」ではアンプを必ず使用します。

もし実現したら「ヴァルトビューネ」の音をスピーカーを通さずにお届けできる、世界初の野外音楽堂になるかもしれませんね。アンプの有無はまだわかりませんが、河口湖に行くことをみんな楽しみにしています。

ドイツ以外では世界初!
クラシック界に新たな歴史を刻む、話題のコンサート
『龍角散 presents ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ヴァルトビューネ河口湖2025』
指揮:グスターボ・ドゥダメル

2025年7月5日(土)17時30分開演、7月6日(日)15時開演
会場:河口湖ステラシアター
全席指定:VIP席10万円、アリーナ席5万円、S席4万5000円
クラシック事務局:0570-012-666(平日12時~17時)
※チケット好評販売中

【Special Information】
家庭画報×「ヴァルトビューネ」特別ツアー開催が決定

世界中のクラシック音楽ファンを驚かせた、ベルリン・フィルの「ヴァルトビューネ」日本開催。『家庭画報』では、この記念すべき「ヴァルトビューネ河口湖2025」の特別鑑賞ツアーを行います。世界最高峰の演奏をステージに近いアリーナ席で存分に鑑賞。「ヴァルトビューネ」が初めて日本で開催される歴史的瞬間に立ち会えます。その後、富士山を目前にした温泉宿「ふふ 河口湖」で、ご夕食とご宿泊を。次の日の午前中は世界遺産「忍野八海」のご見学もお楽しみいただけます。

詳細は家庭画報2月号、またはプレミアム旅行社までお問い合わせ下さい。
(問)プレミアム旅行社
TEL:03‐3262‐6480(受付時間:平日10時30分~17時30分)

この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年02月号

家庭画報 2025年02月号

写真/Stephan Rabold 通訳/中村真人 取材協力/フジテレビジョン

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