〔特集〕学習院コレクションより 華麗なる皇室文化の象徴 高貴なドレス ローブ・モンタント 収蔵作品25万点以上を誇る学習院コレクション ── 。日本の歴史と伝統文化を知るうえで欠かせない皇族・華族ゆかりの品々から、以前は「ボンボニエール」を紹介しましたが、今回は「ドレス」を取り上げます。上皇后陛下から下賜されたローブ・モンタントなど、優雅で気高さに満ちた服飾の世界をお楽しみください。
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※「作品名」の次の行は、ドレスが下賜された時期を記しています。 【北白川宮富子妃】
北白川宮富子妃ドレス
明治20(1887)年頃北白川宮能久親王富子妃ご着用の黒サテン地ビーズ刺繡のヴィジティング・ドレス。ヴィジティング・ドレスとは長袖・立襟で、ローブ・モンタントより曳き裾が短いものをさす。皇族の外出や謁見の際などに着用された。外出時には共に仕立てた帽子を合わせる。



北白川宮富子妃とは

北白川宮能久(よしひさ)親王妃富子は最後の宇和島藩主・侯爵伊達宗徳(むねのり)の次女。公爵島津久光の養女となり、明治19(1886)年北白川宮能久親王と御結婚。快活で能久親王の信頼も厚く、能久親王と共に熊本や広島など地方へも赴いた。当時の皇族妃が乗馬をする写真は極めて珍しい。

明治28年、台湾で能久親王が死去、富子妃は33歳で未亡人となるが、その後、実子である成久王をはじめとする能久親王の遺児たちの教育にも邁進した。
(次回に続く。
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