7月31日・8月1日には、シアタークリエ10周年記念コンサート『TENTH』の兵庫県立芸術文化センターでの公演に出演の予定。――演出家のスタフォード・アリマさんは、今回が日本での初仕事になるそうですね。
「彼は日系カナダ人で、見た目もアジア系なんです。残念ながら日本語は話せないそうなんですが(笑)。実際にこの『シークレット・ガーデン』を、ニューヨークとカナダで演出している方なので、頼もしく思っています。とても懐が深くて、けれど“謎めいた方”というのが、僕の第一印象。稽古場で色々な話をしたいと思っています」
――昨年は『キャバレー』『パレード』『スカーレット・ピンパーネル』、今年もすでに『ジキル&ハイド』にご出演と、ミュージカルだけでも実に多彩な作品、役柄に挑まれていますね。
「劇団四季を退団して、俳優人生の第2章をスタートさせるときに、“これからは今まで演じたことのない役柄に臨んでみよう”という目標を掲げて以来、同じような役柄が並ばないように……とは思っています。そういった意味でも今回は新鮮さを感じますね。今までの私とは、また違うものができ上がるんじゃないかなという予感があります」
――いまや映像の世界でも、実力派俳優として知られる存在です。
「いえいえ、そんな。映像の世界には、映像を専門にやっていらっしゃる個性的な先輩方が大勢いらっしゃるので、まだまだ学ぶことだらけです。でも、だからこそ、映像の仕事も続けていきたいと思うんですよね。外国人を演じることが多いミュージカルの世界と違って、映像では名前や年齢面でも等身大に近い役が多く、自分にしかできない自分らしいものに取り組みたいと思っている僕にとっては、魅力的です。手探りの状態は続いていますが、俳優、歌手、司会……といった柱を立てつつ自分をなるべく多面的にカッティングして、色々な光を見せられたらと思っています」
――司会といえば、昨年春から『題名のない音楽会』(テレビ朝日)の6代目司会者を務めていらっしゃる石丸さん。司会の仕事の楽しさをどこにお感じですか?
「やはり色々なゲストの方にお会いできる点ですね。その魅力や取り上げる題材を、視聴者の方に楽しくお渡しするのが司会の仕事。いかにゲストの皆さんの気持ちをほぐして、語りやすい雰囲気をつくるかという、カウンセラーみたいな部分もちょっとあるような気がして、面白いですね。そしてこれは、歌の仕事にも言えることなんですが、本当に様々なバックグラウンドの方がいらっしゃるので、台本に書かれた多様な人生を表現する俳優の仕事にも繋がっているのを感じます」