きものをキャンバスに見立てアートイベントへ
福島ビエンナーレの一環として、今や世界で大活躍の若手アーティストである
小松美羽ちゃんの展覧会が、父の作品を収めた大山忠作美術館で開催されることに。そこで、10月7日に行われたオープニングレセレモニーへ駆けつけました。
この日の装いは、刈安色の結城紬+母の洒落袋。美羽ちゃんのパワー溢れる色合いを邪魔しないように柄は控えめに。その代わり色で初日の華やぎと秋の気配を表現しました。
帯揚げは帯に馴染ませ、三分紐の朱をスパイスに。帯留めは京都のかずら清老舗のもので、かつて私が母の誕生日にプレゼントした思い出の品です。お祭りの装いとは打って変わって、洋服的な色合わせのモダンなコーディネートは、現代アートの中に佇んでも違和感がありません。
一色采子/Saiko Isshiki
女優
日本画家の故・大山忠作氏の長女として東京都に生まれる。毎日をきもので暮らしたお母様のもとで、コーディネートや着こなしのセンスを磨き、現在はファッションのアイテムを取り入れながら独自のスタイルを楽しむ。趣味の日本舞踊や三味線、長唄では名取になるほど、古典芸能への造詣も深い。現在は、福島県にある二本松市大山忠作美術館の名誉館長や二本松市の観光大使も務める。
【連載】女優 一色采子の「母のタンス、娘のセンス」
構成・取材・文/樺澤貴子