モローが暮らしていた2階のアパルトマンの寝室 (c) RMN-GP / R.-G. Ojédaギュスターヴ・モロー自らが構想したアトリエ美術館
最後は、19世紀後半のフランス象徴主義の代表的な画家ギュスターヴ・モロー美術館です。自らの作品を収める個人美術館として建てられた邸宅ですから、モローの世界を隅々まで表現した空間です。
めくるめくモローの世界へ
改装後に新しくオープンした1階の展示から。中央は「妖精とグリフォン」。(c)RMN-GP / Adrien Didierjean神話や聖書を題材とした、魅惑的な女性を描いた、ミステリアスな色使いの独特の作風の作品を、大作からデッサンまで2万3000点も所蔵。
可動式のパネルを一枚ずつ開いて見られる家具型の展示や、アトリエの高い天井まで壁いっぱいにぎっしりと掛けられた作品によって、モローの世界に浸りきることができます。
建築家アルベール・ラフォンによって1895年に作られた、有名な階段。3階にある。(c) RMN-GP / Franck Raux名物の美しい螺旋階段は、1903年のオープン時以来100年以上、このアトリエのシンボルのような存在です。
3階のアトリエ。(c) RMN-GP / Stéphane Maréchalle1年半以上の大改装を経て、2015年に再オープンを果たしました。1階に新しい展示室ができ、これまで公開されていなかった水彩画やデッサンが見られるように。同じテーマを何度も何度も繰り返し、様々な手法で描き、大作を仕上げていく過程が、手に取るようにわかる展示となっています。
モローの邸宅兼アトリエだったモロー美術館の外観。 (c) RMN-GP / R.-G. OjédaMusée National Gustave Moreau
14, rue de la Rochefoucauld 75009 Paris
電話 +33 (0)1 48 74 38 50
開館時間
10時〜18時(17時45分最終入館)
休館日 火曜、1月1日、5月1日、12月25日
入館料 7€
www.musee-moreau.fr 大島 泉/Izumi FILY-OSHIMA
ライター、コーディネーター、通訳、翻訳者
東京生まれ、東京育ち、1989年にパリへ。現在はパリ郊外サンジェルマン・アンレイ暮らし。