秋田犬マサルとのやりとりが愛らしいザギトワ選手ですが、17歳2か月にして氷上ではこの貫禄! 初日公演では「phantom of the Opera」を披露。少しお疲れかな?とも思いましたが、圧倒的な華やかさでした。撮影/坂本正行(世界文化社 写真部)2022年開催予定の北京五輪で表彰台にのぼりたいと宣言している3人。フィギュアスケート大国、ロシア国内での代表争いをくぐり抜けた選手がメダリストの候補であるのは間違いありません。
でも、女子選手が難しいのは成長期の乗り越え方。現時点では150cm前後で体重も軽い3人が、このあと、成長していく体とどう向き合っていけるか。
2018年平昌五輪当時、15歳9か月で金メダルに輝いたザギトワ選手は、その後、身長が急激に伸びたことでジャンプのバランスを取ることが難しくなり、一時期不調に陥っていました。
ファンタジー・オン・アイスやドリーム・オン・アイスでの滑りを見ると、だいぶ安定感が戻ってきたようですが、成長期をいかにダメージ少なく乗り越えるかが、層の厚いロシア女子のなかで、抜きん出た存在になる鍵になりそうです。
日本における新シーズンの開幕となる、10月5日(土)に行われるフィギュアスケートジャパンオープン2019には、宇野昌磨選手、ネイサン・チェン選手、ヴィンセント・ジョウ選手のほか、アリーナ・ザギトワ選手、アレクサンドラ・トルソワ選手の出場も決定。見応えのある大会になりそうです。
アイスリンクいっぱいに使って、躍動感溢れる演技を見せてくれた坂本花織選手。この勢いのままに、紀平梨花選手や宮原知子選手とともに、世界を牽引して行ってほしいですね。撮影/坂本正行(世界文化社 写真部)坂本花織選手
「No Roots」2000年4月9日生まれ。2018年全日本選手権優勝。2018年平昌五輪個人戦6位、団体戦5位入賞。2018年四大陸選手権優勝。
ロシアンガールズが降臨するなか、その勢いに負けず、新たな可能性を見せてくれたのが坂本花織選手。ブノワ・リショーさんが振り付けた2017/18のFS「アメリ」、2018/19のFS「ピアノ・レッスン」などで表現力が強化され、新境地を開拓した感のあった坂本選手でしたが、今回初披露してくれた来季のSP「No Roots」もとても魅力的なプログラムです。
シェイ=リーン・ボーンさんの振付らしく、とてもドラマチックな演出で、ここ数年、坂本選手が持ち味としてきた疾走感やダイナミックなスケーティングも楽しめる、彼女ならではの魅力が詰まった構成になっていると思います!