「四国の魅力」を味わう 第5回(全18回) 四方を海に囲まれ、自然の恵みが溢れる四国。秋には山海の幸が旬を迎えます。瀬戸内の美しい景色とともに、土地の食材を味わえる名店の料理、ご自宅で作れるレシピ、お取り寄せ情報をお届けします。
前回の記事はこちら>> かまパン&ストア かま屋(徳島県・神山町)
自家培養発酵種の食パンや米粉入りのバゲットなど、毎日食べても飽きないパンを目指す。地元産のビーツやコーヒーの苦みとチョコの甘みを加えた、もっちりとしたローフも人気。町内に点在する、フードハブ・プロジェクトが借り上げた農地の総称が「つなぐ農園」。食堂やパン店で使う米や野菜の多くはこの農園で、減農薬・有機肥料で栽培される。作物を育て、パンを焼き、料理する。合言葉は“地産地食”
早朝に収穫したばかりのルッコラのサラダやにんじんの冷製スープ。メインの阿波美豚のカツレツにはすだちのタルタルソースを添えて。神山町で栽培された米をかまどで炊いたご飯も美味。週替わりのランチ1680円。地方創生への取り組みで全国の注目を集める神山町。その町で、次世代の農業の担い手を育てる活動をする「フードハブ・プロジェクト」が運営するパン・食品店が「かまパン&ストア」、料理店が「かま屋」です。
地元特産の神山杉のテーブルや椅子が温かみを感じさせるかま屋の店内。開放的なオープンキッチンのカウンターの上には、プロジェクトを共に盛り上げる仲間たちの名札が並ぶ。「フードハブ・プロジェクト」は、農薬や化学肥料に頼らずに「育てる」、その土地に伝わる方法で料理を「つくる」、地元の農業と食文化を支えるために「食べる」、“地産地食”の意識を高めて「つなぐ」というサイクルを回して、神山の農業を次世代に伝えるチーム。
2つの店で使われる米や野菜の多くは、同プロジェクトが町内の農地や耕作放棄地を借り上げて、無農薬や減農薬、有機肥料で栽培したもの。神山のきれいな水、空気、そして寒暖の差から生まれたおいしい食材たちです。
見た目も楽しいカラフルな手作りジュース。無農薬のしそを使った「赤シソジュース」と自社開発したキウイソースとすだち酢を合わせた「すだちキウイスカッシュ」各600円。どちらも甘さ控えめでさっぱり。週替わりのランチには四季折々の神山の味が溢れる
かま屋のキッチンで腕をふるう料理長の清水 愛さんは、神山の生産者たちが育んだ食材の力を可能なかぎり引き出すことを常に心がけています。この日も、早朝5時に農家が収穫した有機ルッコラが、直接かま屋に運ばれ、清水さんの手によって新鮮野菜のサラダになりました。
クリーミーでやさしい味わいのスープには神山町産のにんじんが、カリッと香ばしいカツレツには徳島の自然の中ですくすくと育った阿波美豚が使われています。
かまパン&ストアの建物は、周囲の景色となじむ在来工法の木造建築。隣接する民家と駐車場の間に建てて、屋根の形も民家に揃えた。敷地に出入りする車から隣家のプライバシーが保護されるように配慮している。かまパン&ストア徳島県名西郡神山町神領字北190-1
TEL:088(676)1077
営業時間:9時~18時
定休日:月曜・火曜定休(祝日の場合は営業)
かま屋徳島県名西郡神山町神領字北190-1
TEL:050(2024)2211
営業時間:平日11時~15時(LO)、土曜・日曜・祝日11時~17時(LO)
定休日:月曜・火曜(祝日の場合は営業)