ここでしか味わえないひと皿で魅了する 世界一美味しい日本のイタリア料理 最終回（全10回） 特別な日にはエレガントなリストランテの料理、日常では気軽にパスタやピッツァやドルチェ……。ここまでバラエティに富んだイタリア料理を楽しめるのは、世界において日本だけかもしれません。時代ごとのムーブメントを積み重ねながら、確実に進化している日本のイタリア料理。その現在地に迫ります。
前回の記事はこちら＞＞ イタリアンは肉や野菜の料理だけではありません。ピザやパンなど、「粉もの」も日々進化しています。本場の伝統的な味から、料理人独自のセンスが光る新グルメまで、多様な味をお楽しみください。
イタリアの“パンの町”の味を実直に再現
トマトの甘みが際立つ「2色のトマトのフォカッチャ」（700円）。イタリア南部のプーリア州にある小麦畑に囲まれた“パンの町”こと「アルタムーラ」の名を堂々と掲げるフォカッチャ専門店。
通常パスタに使用される黄みがかったセモリナ粉100パーセントの生地にじゃがいもを練り込み、焦げ目がつくまで焼き上げるのが現地流。
春らしい爽やかな味わいの「菜の花のフォカッチャ」（700円）。「しっかりと焼くことで小麦の香りを最大限に引き出し、具材のうまみや甘みを凝縮させます」と語る店主の山本誠さん。パンを包む爽やかなオリーブオイルの香りも噛みしめるたびに口の中で広がります。
アルタムーラ東京都新宿区山吹町5
TEL：03(6265)3842
営業時間：10時～15時 金曜・土曜～22時
日曜定休
ピザよりもヘルシー！注目のピンサ
上・リコッタチーズがアクセントの「モルタデッラ＆ピスタチオ」（1580円）。下・かぼちゃとマスカルポーネをドルチェ感覚で楽しめる「ズッカ」（1380円）。小麦粉、大豆粉、米粉を配合し、長時間発酵させた生地が消化によく、ヘルシーであることから注目されているピンサ。
高温で短時間焼くピザに比べて、2段階に分けてじっくりと焼くピンサは、外はサクッ、中はふんわりとして類いない食感と香ばしさが楽しめます。カパンネリご一家が営むこのお店は、日本ではまだ珍しい専門店として伊・ディマルコ社のピンサ・ロマーナ粉を使った伝統的な味を実現。毎日約10種類のトッピングでショーケースが彩られます。
ボンタイタリア東京都渋谷区猿楽町12-35 T+DAIKANYAMA1階
TEL：03（6455）2629
営業時間：11時～20時
月曜・火曜定休
