家庭画報のレジェンド・レシピ 「感動パスタ」をわが家で 第2回(全23回) 創刊号から最新号まで、『家庭画報』に掲載された膨大な数の料理レシピの中から、今、改めてお伝えしたいものを編集部が厳選してお届けする「レジェンド・レシピ」。今回は本誌ゆかりのイタリア料理のシェフたちが、ご家庭での「パスタ」をワンランクアップする技やアイディアを伝授。いつもとはひと味もふた味も違う、"感動の味"をお試しください。
前回の記事はこちら 名シェフの秘密のひと技
ベーシックパスタ、特別レッスン
レジェンドシェフに教えていただくのは、誰もが大好きなパスタ料理のひとつ、「アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ」。失敗知らずの黄金レシピをマスターすれば、パスタ名人への道が開けます。
スパゲッティ すりごま入り
アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノオイル、にんにく、白ごまと重なる香りが食欲をそそるひと皿。オイルをゆで汁で乳化させ、ドレッシング状にしてパスタとあえることでべとついた油炒めのようになるのを防ぐ。アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ
攻略の鍵は「白ごま」にあり
――落合 務さん(ラ・ベットラ・ダ・オチアイ)
にんにくのほのかな香りを楽しむ「アーリオ・オーリオ」。ソース作りにおいて、まず気をつけたいのはにんにくを焦がさないことです。
「にんにくはオリーブオイルとともに、常温のフライパンに入れてから火にかけます。熱したオイルに入れるとにんにくがすぐに焦げてしまうから厳禁。万が一、にんにくが焦げそうになったらすぐに火を止めるか、フライパンをぬれタオルの上にのせてオイルの温度を急冷させましょう」。
そして、パスタのゆで汁を加えて乳化させたソースとパスタをつなぐうえで欠かせないのが白すりごま。落合シェフの自慢のひと技です。「ごまの作用できれいにからみ、全体の風味も豊かに仕上がります。白ごまはたっぷりと惜しみなくね」。
オイル系のソースは火にかけ続けたままパスタとあえると、焼きそばのようなオイル炒めになってしまう恐れがあるので火から外すなど、ソースの温度にも気を配りましょう。
落合 務さん
(おちあい・つとむ)東京イタリアンの先駆者として常に時代をリードするレジェンドシェフ。家庭料理のためのレシピ本も多く、その確かな味わいに不変の人気を誇る。日本イタリア料理協会会長。
ラ・ベットラ・ダ・オチアイ東京都中央区銀座1-21-2
電話 03(3567)5656
※2009年6月号「わが家で『感動パスタ』を」より。