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世界各国のワイン関係者がベルリンに集結!
伝統あるワイン生産国ドイツ。代々ワイン造りを継承する家族経営の小規模ワイナリーが多いことでも知られています。
ジェネレーション・リースリングのメンバーたちの多くは、伝統と歴史に裏打ちされたワイン造りを身につけながらも、世界の産地に研修に出かけ、さまざまな見識と技術を身につけたり、国内の生産者たちと情報交換を重ねて、現代のライフスタイルに合ったモダンで革新的なワイン造りを目指す、新世代のワインメーカーたちです。
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若い醸造家たちの熱気で盛り上がる会場
この日はドイツ各地から26のワイナリーが参加し、ブースを設けてワインを披露。
ジャーナリストやワインショップのバイヤー、レストランのソムリエなどワインのプロたちが、畑や醸造方法などについて生産者に尋ねながら試飲します。
ジェネレーション・リースリングのロゴTシャツを身につけた若い醸造家たちが、きびきびとサービスするさまは、躍動感にあふれる、彼らのワインを体現するかのよう。来場者たちはブースごとにテイスティングを重ねながら、ジェネレーション・リースリングのメンバーたちが造るワインのトレンドを探ります。
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“リースリング”はドイツを代表するブドウ品種
団体名になっているリースリングは、ドイツを代表する白ワイン用のブドウ品種。彼らが生産するワインの半分以上はリースリング100%で、フレッシュなタイプや長期熟成が可能なもの、とさまざまなスタイルがあります。けれどこの会場に並ぶのはリースリングだけではありません。
白ワインではヴァイスブルグンダー(=ピノ・ブラン)やグラウブルグンダー(=ピノ・グリ)、ジルヴァーナー、また世界で広く造られているシャルドネや、スイスの人気品種シャスラなど。赤ワインではシュペートブルグンダー(=ピノ・ノワール)のほか、レンベルガー(=ブラウフレンキッシュ)というオーストリアの品種を使った軽やかなタイプも流行りのようです。
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ブームの兆しも。オレンジワインに注目
日本でもブームの兆しを見せる「オレンジワイン」。ブドウの皮や種を果汁と一緒に漬け込むことで、透明なオレンジ色のワインができ上がります。なかでもグレイッシュな色の果皮をもつグラウブルグンダーは、オレンジワインに向いているようです。
また、ドイツではゼクトというスパークリングワインが生産されていますが、この試飲会では、「ペットナット(Pet-Nat=Petillant Naturel)」と呼ばれる微発泡ワインを造る生産者が目立ちました。
人為的な介入を極力行わない方法で造られるこのワインは、世界でもひとつのムーブメント。ガス圧が低く、フレッシュな味わいがあるペットナットにトライする若手醸造家が増えています。
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活躍する女性醸造家
ジェネレーション・リースリングのメンバーの約3割は、女性醸造家です。
ラインヘッセンという地域の「Juwel-Weine(ジュエル・ワイン)」のJuliane Eller(ジュリアンヌ・エラ)もそのひとり。自分の名前にかけて、Juwelつまり宝石のように輝くワインを造りたいとロゴもデザイン。女性ならではのしなやかな感性をいかした、繊細な味わいのワインが好評です。
畑仕事や醸造の作業は重労働ですが、ワインを造る環境に生まれ育った彼女たちにとっては、当たり前のこと。「いいワインを造りたい」という志には、男性も女性もないのですね。
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スパークリングワインも若手醸造家が奮闘
試飲会に先駆けて開かれたドイツのスパークリングワイン「ゼクト」のセミナー。
その多くはシャンパーニュと同じ瓶内2次発酵と呼ばれる方式で、時間をかけて丁寧に造られます。ここでも、ジェネレーション リースリングのメンバーが手がけるワインが主役。
人気のレストランやワインバーがこぞって仕入れる「Sekthaus Krack」は、ナチュラルな味わいが特徴。果汁と果皮を48か月接触させて複雑さを十分引き出してから発酵、その後トノーと呼ばれる木樽で寝かせます。完全にドライに仕上げるのも人気の秘密。
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ドイツワインの新たなトレンドとは?
このセミナーでは、糖分量が限りなくゼロに近いドライなタイプや、黒ブドウを使ったコクのあるブラン・ド・ノワール、シャンパーニュと同じ品種を使ったものなどをテーマごとに比較試飲。すっきりと爽やかでかつ飲みごたえのある、モダンなスパークリングワインのトレンドが見えてきました。
次回、第3回は、世界有数の銘醸地、断崖絶壁のモーゼルの畑の潜入リポートをお届けします。