玄関からリビングまで 招く日の華麗なるインテリア 第4回(最終回) クリスマスや忘年会など、集う機会の増えるこの時期。お世話になったかたを自宅にお招きすることもあるでしょう。今年は、インテリアに少し手を加えて、家全体をお洒落に演出してみてはいかがでしょうか。いつもと違う素敵なおもてなしに、ゲストの気持ちも盛り上がり、忘れられないひとときを過ごしていただけるはずです。
前回の記事はこちら>> インテリアデザイナー コマタトモコさんのおもてなしインテリア拝見
「SОLE LUNA(ソルエ ルナ)(太陽と月)」と名づけられたコマタトモコさんの自邸。
その名にちなみ、東と西に玄関を有する住まいには、演出によって印象を変えるシンメトリーな4つの空間が配置されています。
今回は、同じ広さ、同じ造りのそれらの部屋を「洋」と「和」に使い分けるスタイリングのヒントをご紹介いただきました。
【洋】
アートとテーブルコーディネートでつくる「洋」の空間
シンメトリーな空間が叶えるフォーマルダイニング
東の玄関から入ってすぐの応接室。コマタさんのオリジナル家具ブランド「CASA BUKU(カーサ ブク)」の8人掛けテーブルに、同ブランドの麻カバーを被せたチェアを合わせ、フォーマルダイニングに。
左手にある階段室のトップライトから差し込む日差しが、穏やかな時間の流れを感じさせます。
太陽がコンセプトの空間に、光をもたらすアート作品
空間をしつらえるうえで、アートや小物は家具以上に大切な要素だというコマタさん。
差し込む日差しから太陽の動きが感じられる東側の部屋に合わせて選んだのは、奥山民枝氏の油彩画《陽日》(みぞえ画廊)。
右手奥の入り口には、太陽モチーフの取っ手がついた象徴的な東の玄関扉が。
シルバーで統一したテーブルにこだわりの花と小物を厳選
フラワーデザイナー・竹田浩子氏によるモダンなアレンジメントや、和と洋の要素を兼ね備えた「アレキサンダー・ラモント」のガラスのキャンドルスタンド(左奥のクリスタル球体)を用いた洗練のテーブル。
器や箸をシルバーで統一し、オリジナルのテーブルランナーも同系色でまとめて。
食後――
引き戸を開ければ、スマートに和の世界へ
食事の後は、部屋を移動。隣室のしつらいをあらかじめすませ、両開きの引き戸をサッと開けば、印象の異なる和の世界が出現するという趣向。
「まるで舞台が展開するように印象の変化でお客さまを驚かせるのも、自宅でおもてなしをする楽しみの1つです」とコマタさん。
コマタトモコさん東京都生まれ。聖心女子学院卒業後、1988年ICSカレッジオブアーツ卒業。92〜95年アルド・ロッシ建築設計事務所勤務。95年より横堀建築設計事務所。11年よりICSカレッジオブアーツ講師。可変性のある自由な空間づくりを基本に、和と洋が融合したインテリアデザインを得意とする。