ホテルライクな究極の空間「豪邸マンション」最終回(全7回) セキュリティやホスピタリティ、立地のよさゆえ、富裕層向けマンションの人気は衰え知らず。海外体験などから、ホテルのように美しく洗練された空間に住みたいというかたも増えています。IT時代、ウィズ コロナを踏まえ、機能性と利便性を兼ね備えたリノベーションの最前線を紹介します。
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ワンブランドで統一された洗練の眺望空間
M邸(東京)
品格を宿す、タイムレスなリビングルームスペースに合わせて組み合わせを替えられるモジュラーソファ「オープン」を、大開口の窓辺に配置。このソファを中心にカーテンやテーブル、照明器具などが絶妙に調和するM邸リビング。/アルマーニ / カーザ納得のいく住居を求めて都心のマンションを住み替えてきたMさんご夫妻。現在の住まいは、2021年竣工した都心を見渡せる新築マンションの高層階にあります。「これまでは家に合わせて自分たちの好みで家具や調度品を選んできましたが、どこかまとまりがないと感じていました」とご主人。
そこで今回は、気に入ったワンブランドで統一感を出したいと、複数のモダン家具ブランドにトータルコーディネートを依頼。その中で「アルマーニ / カーザ」に出会い、シンプルかつエレガントなデザイン哲学に魅了されたと話します。
「早速、銀座のショップを訪ねたところ、新しく日本で始まるインテリアデザインサービスがあると知り、ぜひ利用したいと思いました」。
洗練のフォルムに宿る、本物のエレガンス真鍮のフレームに木製の天板を合わせた「メルローズ」のダイニングテーブルに、体を包み込むようなフォルムが魅力的なダイニングチェア「ナタリー」をセット。奥のコンソールテーブルは「エヴァンス」。/すべてアルマーニ / カーザ「AT YOUR HOME」と名づけられたこの新サービスは、本国イタリアのデザインチームが顧客のライフスタイルに応じたインテリアプランを提案するというもの。日本で同サービスを利用する最初の顧客となったMさんご夫妻は、ゴールドやシルバーを取り入れて「アルマーニ / カーザ」らしくリビングとダイニングをまとめてほしいとリクエスト。その結果、誕生したのが、この洗練された空間です。
壁紙やカーテン、ソファ、チェアなどに用いたのは、金糸や銀糸が繊細に織り込まれたオリジナルテキスタイル。そして、クラフツマンシップを感じさせる真鍮のテーブルが、独自のラグジュアリーな世界観を印象づけています。この空間で過ごす時間を「素晴らしい」と話すご夫妻。
「朝も夜も、美しいこの部屋から英気をもらっているような気がします」。ご主人の言葉に、住まいへの高い満足感が表れていました。
ラグジュアリーブランドの本国チームが、インテリアの提案をするという新しいスタイル
上・コンセプトをまとめたムードボード。下・3Dビューのスケッチ。2021年、日本で始まった「AT YOUR HOME」は、ミラノ本社でレジデンスなどを手がける「アルマーニ / カーザ」のデザインチームが、顧客の要望をヒアリングしたうえで、リビングルームや寝室、玄関ホールのインテリアプランを提案する特別なサービス。
コンセプトをまとめたムードボードの作成から壁紙やカーテン、家具、ラグなどのセレクト、さらにそれらの配置や施工に関する指示などを通して理想の空間をつくり上げます。
〔特集〕ホテルライクな究極の空間「豪邸マンション」
撮影/大泉省吾 スタイリング/坂野美紀 取材・文/冨部志保子
『家庭画報』2022年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。