2017年最後の“会いたい人”は、広末涼子さん。井上ひさし氏が中国近代文学の祖といわれる魯迅を題材に書いた『シャンハイムーン』で、5年ぶりに舞台に出演します。魯迅役の野村萬斎さんとは初共演という広末さん。相変わらずの瑞々しさです。
――『シャンハイムーン』の舞台は、1934年の上海。中国国民党につけ狙われる魯迅と、彼をかくまう日本人たちのある1か月を描いた本作品の魅力を、どんなふうに感じていますか?
「人間ドラマがしっかりと描かれた、大人のハートフルな作品という印象です。相手が家族であれ、友人であれ、初対面の人であれ、ふとした瞬間に距離感が縮まったり、熱量が伝わることって、ありますよね。魯迅さんを守ろうとする人たちのそういった熱量と一体感が、魯迅さんを中心に綿あめみたいに膨らんでいく感じが愛しくて、とても魅力的だなと思います。世界が分断されていっているような今、国境を超えて2つの国の人間が交わっていく作品に関われることに、すごく意義を感じますし、それをシリアスにではなく、笑いに包んで伝えられるところに、お芝居の醍醐味を感じます」
――広末さんが演じる魯迅の第二夫人役については、どうでしょう?
「三歩後ろをついて行っているようで、ちゃんと魯迅さんをコントロールしている部分もあり、とても好きな女性像です。芯の強さのみならず、第一夫人の存在が見えたときの動揺だったり、素直な女子としての部分が垣間見えるところにも愛しさを感じて、楽しく演じられそうです。女性の方には、共感してもらえる部分が多いような気がしています」