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東京2020で“チャレンジできる機会”をたくさんつくって、多くの人を巻き込みたい/パラ・クリエイティブプロデューサー ディレクター栗栖良依さん

2019.11.27

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松岡修造の東京2020への道 届け!熱い思い

今回のゲストは、障がい者とアーティストをつなぐイベントなどを精力的にプロデュースしている栗栖良依さん。東京2020大会では主にパラリンピックの開閉会式を担当しています。病気のため一度は手放した夢に向かって邁進する栗栖さんは、松岡さんも驚くほど前向きでエネルギッシュな女性でした。
新豊洲Brillia ランニングスタジアム

撮影をした新豊洲Brilliaランニングスタジアムは元プロ陸上選手の為末 大さんが館長。栗栖さんの活動拠点の一つで、空中パフォーマンスのワークショップなどを行っています。松岡さん・スーツ、シャツ、チーフ、靴/紳士服コナカ

第17回
パラ・クリエイティブプロデューサー/ディレクター 栗栖 良依さん


栗栖良依さん


「私はピンチになると、ちょっとだけ落ち込んだあと、すぐに打開策を考え始めます。落ち込んでいる時間がもったいないから」と話す栗栖さん。*東京2020大会開閉会式4式典を担当するのは、川村元気さん、栗栖良依さん、佐々木 宏さん、椎名林檎さん、菅野 薫さん、野村萬斎さん(総合統括)、MIKIKOさん、山崎 貴さんの8名(50音順)。

栗栖良依さん YOSHIE KRIS

1977年東京都生まれ。東京造形大学比較造形専攻学芸員課程修了。2010年に骨肉腫を発症し、右下肢機能全廃。11年にアートの力で多様性と調和のある世界を目指し「SLOW LABEL」を設立、14年に法人化。同年『ヨコハマ・パラトリエンナーレ』初開催。16年リオパラリンピックのフラッグハンドオーバーセレモニー参画。東京2020大会開閉会式4式典クリエイティブ・ディレクターの一人。

一度捨てた夢を甦らせたロンドン大会の感動


松岡 栗栖さんはオリンピックの開会式を手がけることが10代からの夢だったそうですね。

栗栖 はい。高校生のときにリレハンメル大会の開会式を観て、私がやりたいのはこれだ!と思ったんです。それからは長野大会のボランティアなど夢の実現につながりそうなことを次々にしていきました。でも、2010年に骨肉腫になり、一度は夢を捨てたんです。1年先に生きているかもわからない状態だったので。

松岡 そんな栗栖さんが東京2020の開閉会式を担うチームの一員になるまでには、どんな経緯があったのでしょうか。

栗栖 病気のために障がい者になったものの、もうちょっと生きられそうだと思い始めた頃、ロンドンパラリンピックの開会式を観て、多様な人たちだからこそできる多様な表現に感動したんです。それでパラリンピックの開会式を手がけたいという気持ちが湧いて、2014年には障がい者と健常者が一緒にパフォーマンスをするフェスティバルを立ち上げました。東京開催が決まったのは、その準備中です。

松岡 ものすごく強い思いとスピードで実行に移されましたね。

栗栖 ありがとうございます。でも、ふたを開けてみたら、障がい者が全然参加してくれなくて衝撃でした。みなさん、福祉施設のなかでは楽しく歌ったり踊ったりしているんです。でも、施設の外でとなるとアクセスが大変で断念したり、健常者に迷惑をかけるんじゃないかと心配する親に止められたり。

松岡 物心両面でいろいろなバリアがあったんですね。

栗栖 はい。そこでバリアを取り除くための人材づくりから始めました。そうして生まれたのが、障がい者が参加するための環境を整える「アクセスコーディネーター」と、障がい者と一緒に創作活動をする「アカンパニスト」です。
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