桐島ノエルの温泉ダイアリーズ 国内外問わず多くの“いい湯”に浸かってきた桐島ノエルさんが、ご自身の記憶に残る温泉の魅力を綴ります。
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長野県 ホリスティックリトリート 穂高養生園
(文/桐島ノエル)
20代の頃、雑誌の連載をきっかけにホリスティック医療や代替療法に興味を持つようになった。
カナダに移住してからもその方面には常にアンテナを張っていたが、ある日私のレーダーに引っかかったのが「ホリーホック」というリトリートセンターだった。
バンクーバーから車やフェリーを乗り継ぐこと半日。コルテス島という小さな小さな島にある「ホリーホック」は妖精が住んでいそうな、美しい場所だった。
深い森とクリアな海。草を食む鹿の親子と空高く舞うイーグル。点在する質素なコテージにはテレビも電話も時計もない。
ワークショップで学ぶ人、カヤッキングやハイキングに繰り出す人、ボディワークで癒される人。時間の過ごし方はそれぞれだ。
合図の鐘が鳴ればメインロッジに集まり、見事な野菜畑で採れたオーガニック料理を皆んなでいただく。
深い静けさと、驚くほどの自由さ。カナダ国内はもちろんのこと、海外からも著名な講師陣が集まってくるのも、その地の魅力に惹かれるからだろう。
こんな場所が日本にもあればいいのになぁ。しかも温泉だったら、完璧。なんて、欲深いことを考えていたら、あったんですね、日本にも。