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旧暦10月に神々が参集する出雲。地元で愛される工芸と美味をご紹介

2020.10.02

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旧暦10月、八百万の神々が参集する出雲大社の「神在祭」 第3回(全3回) 旧暦10月の異称は「神無月」。全国の神々が出雲に集まり、各地の神様は不在になるということからの月名です。そしてこの月、諸国の神々は出雲において、大事な神議(かみはか)りをされるのだと古来、人々はいい伝えてきました。そのため出雲では旧暦10月を「神在月(かみありづき)」と呼び、神々を迎えるその期間、人々は神様の邪魔にならぬよう忌み慎み、畏敬の思いと感謝の心を新たにします。前回の記事はこちら>>

出雲の工芸と美味


山陰地方で古来、出雲大社を核として歩んできた出雲には、暮らしを彩る工芸が発達し、独自の食文化が育まれてきました。今なお地元で愛され、出雲から発信される工芸と美味をご紹介します。

豪農の屋敷を改装した展示空間に
息づく暮らしの道具たち


出雲の工芸と美味
本館展示室の天井は高く、質実ながら重厚な造りとなっている。折々の企画展も開催。

出雲民藝館(いずもみんげいかん)
出雲の豪農・山本家の屋敷蔵を改装した民藝館。広大な敷地内には当代の住む母屋もあります。入り口の長屋門は築300年近いもので古い棟札が多数並び、中には江戸時代に出雲大社を造営した棟梁の名もあるそうです。

出雲の工芸と美味
長屋門。

長屋門を入ると右手が元の米蔵だという本館。広い壁面に出雲の藍染木綿の世界が広がります。嫁入りの布団布、赤ん坊の背負い布、湯上げ、おむつ等々。石見や浜田の大型の甕や壺、車箪笥も並びます。出雲の人々の暮らしを彩ってきた生活道具が息づいています。

出雲の工芸と美味
敷地左手にある西館は大工さんの道具庫だった建物を改装した展示館。驚くほど多様な農具や仕事道具が展示され、簡素ながら機能的、独創的なデザインに驚かされる。

島根県出雲市知井宮町628
TEL:0853(22)6397
開園時間:10時~17時 火曜定休(祝日の場合は翌日休)
拝観料:一般800円

銘木を使った創作家具を中心に、
手仕事の素晴らしさを教えてくれる


出雲の工芸と美味
左の黒柿7段チェスト75万円は脚付き。右はコンソール黒柿日輪60万円。扉の合わせが日輪になる。その上は黒柿天然花入2万円。
おかや木芸(おかやもくげい)
材木業から家具製作を始めた「おかや木芸」は黒柿、栗、ケヤキ、桜などの国産材を使った家具や木工品に定評があり、注文による家具製作にもきめ細かく対応してくれることで知られます。

出雲の工芸と美味
黒柿製品は小物でも展開。茶筒8万円と片口3万円、手前はコーヒーメジャースプーン6000円、スプーン壱の匙(大)5000円。

なかでも黒柿の家具や生活小物は必見です。正倉院御物にも黒柿製のものがあり、書院や茶道具などにも珍重された希少銘木ですが、専門的に手がける工房もまた希少です。樹齢数百年を超える柿の古木に、ごく稀に黒い紋様が現れるのが黒柿。模様や色は他には同じものはなく、ここでは世界でただ一つの黒柿に出会えます。

出雲の工芸と美味
昨年、新装なったおかや木芸。

島根県出雲市斐川町直江4844-1
TEL:0853(72)0538
営業時間:10時~18時30分 木曜定休、10月1日休
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