お二人のコーディネートの様子は……?
さて、ここからは、お二人のコーディネートの様子を編集部がレポートします。
石田さんにとっても、柴田さんのきもの遊びの姿勢に共感することが多いとか。「柴田さんは迷いが少なく直感力もあるので、リメイクの相談もチャッチャと進みます(笑)。
大胆なようで実はこまやかな感性をお持ちで、八掛や袖口などちょっとした色にこだわるセンスに、こちらが新たな発見をすることも。受け継いだものを本当に大切にされて、わずかな端裂(はぎれ)さえも捨てない……そんなお人柄にも惹かれています」と石田さん。
コーディネートを決める際には、柴田さんらしい「格好よさ」を大切に、渋さの中にビビッドな色やポップな柄を効かせた“渋派手スタイル”を心がけているとか。
映画の舞台挨拶やテレビ出演の際には、ご自身のアイテムを軸に、簪(かんざし)や帯留めなどの小物をプラスすることもあるそうです。
この日の石田さんは、裏方らしい男前なコーディネート。8年間秘書を務めたアンティークきもののコレクター、故・池田重子さんから譲られたざざんざ織りの紬でご登場。
シックな色柄の胴接(は)ぎにもセンスが光り、帯枕を使わずに牡丹唐草の木綿の付け帯を体にぴったり添うように着付けていました。
「軽やかで動きやすく、裏方として現場できものを着る際に重宝しています。年月を重ねた糸の柔らかさが、なんともいえない肌なじみで……。きっと柴田さんもお祖母さまやお母さまのきものに、そうした魅力も感じているのではないでしょうか」。古き良き時代から今に残り、味わいを増したきものや帯に心を寄せることが、柴田さんと石田さんに共通の想いのようです。