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菅野美穂さんインタビュー。映画『明日の食卓』で運命的なものを感じたという母親役

2021.05.28

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菅野美穂さん

母親が生きるうえで必要なこと。大切なこと


劇中にはわが子をあやめてしまった母親が登場する。子育てに励む親の目前にある一線で区切られた2つの世界。日々の生活の中で突然起こりうる可能性を絶対に否定することなど誰にもできない。

それでもその瞬間を回避して、その手前にいるために必要なことが、菅野さんのひと言には込められていた。


「世の中のどのお母さんも、この一線を越えてはいけないというような状況に限りなく近い経験をされていると思うんです。越えてしまった女性にも引き返せた場所があっただろうと思いますが、何かが歯止めになったのではなく、いききらなくてよかったということなのかなと思います。私自身、感情的になりすぎるとどうにもこうにもならないことがあるので、冷静な判断ができるときにしっかりと思っておくことが大切なのではないでしょうか」

さらに“母親”への共感は、ご自身のお母さまへの理解にもつながった。

「育児というものは頑張れば頑張るほど密室に閉じこもってしまうような面がありますよね。私が小さい頃、母がお茶会といってお母さまがたと子どもたちと集っていて、母の趣味だと思っていました。今思えば、直接的な悩みは話さないにしても、人と会うことでセラピーの代わりになっていたのかもしれません。

私も自分に子どもができる前はベビーカーを押すお母さまを見ると“かわいいだろうな”と思っていたのですが、今は“頑張ってください”って心の中で手を合わせていますよ(笑)。子どもと接していて思うのは、自分に理解しきれないことがあるから子どもに教えてもらえることがあります。今は一緒にいますが長い人生を考えると本当に限られた時間ですよね」

子どもとの時間も大切だが、菅野さんが自分らしくいられることも大切。彼女にとってそれはどんなときなのだろう。

「ドラマ撮影の準備期間に、ヨガに行ってみました。体を動かすことで頭も切り替わり、そうした時間を持つことでイライラも少なくなって子どものためにもなると思いました」

菅野美穂/かんの・みほ

1977年、埼玉県出身。93年に『ツインズ教師』(テレビ朝日系)でデビューし、95年NHK連続テレビ小説『走らんか!』で準主役に抜擢され、注目を浴びる。96年に『イグアナの娘』(テレビ朝日系)で演じた主人公・青島リカ役が高い評価を受け、人気女優に。以降、テレビドラマを中心に映画や舞台など、数多くの話題作品で活躍している。



映画『明日の食卓』


「石橋ユウ」という同じ名前の子どもを持った住む場所や環境が全く異なる3人の母親を豪華女優陣が演じる。本作が10年ぶりの映画主演となる菅野美穂さんが演じる母親は、フリーライターで2人の男の子を育てつつ、仕事復帰を目指している。子どもとの向き合い方や夫との考え方の違いなど、子を持つ親ならば誰もが直面する人生の問題を問いかけてくる作品だ。

出演/菅野美穂、高畑充希、尾野真千子ほか
監督/瀬々敬久
脚本/小川智子
原作/椰月美智子『明日の食卓』(角川文庫刊)
製作幹事/WOWOW
配給/KADOKAWA、WOWOW
映画の公式サイトはこちら>>
2021年5月28日(金)全国ロードショー
撮影/永田忠彦 構成・文/山下シオン スタイリング/青木千加子 ヘア&メイク/布野夕貴 衣装協力/HYKE(ボウルズ)、TASAKI

『家庭画報』2021年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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